Le Mans Report
1999年6月11日


栄光の24時間へチャージの一日
〜 ル・マン24時間レース 新たなる決意 〜


Photo by Toshi Sawado
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ル・マンウィーク中唯一のインターバル日となった6月11日、サーキットはつかの間の静寂に包まれ、明日の決戦を前に静かで、しかしどこか緊張感に包まれた一日を過ごした。
メディアセンターのモニターには交通渋滞のテルトルルージュが映し出され、昨日までの喧騒とは異なった光景を見せている。

ニッサンチームは正午過ぎからメディアとの懇親会をピットバルコンで開催した。

会場には23号車の予選初日にクラッシュした、バンデポール選手を除く8選手と主要チーム関係者が質問や激励に対応した。
23号車の鈴木亜久里選手は「23号車は残念な結果でレースを終わるけど、22号車の各ドライバーは23号車のドライバーに比べてテストで走りこんでいるから心配はしていない。本山、クルム、コマスの3選手に頑張ってもらいたい。ぼくも応援団にまわることになるけど一緒に応援してほしい」と無念のメッセージ。


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影山正美選手も「昨年、R390で完走して今年はその結果を踏み台に日産のエースナンバーの23号車に乗せてもらえるチャンスを生かそうと自分なりに目標を設定してきた。来年にこの想いを持ち越して雪辱を図るためにがんばる。個人的には今年のル・マンをこのような形で終わってしまったのは非常に残念に思う。僕はスタンドにでも座ってニッサンの旗を振って応援してくれているファンの中に入って応援しようかな」と一度も乗れずに終わった今年のル・マンを振り返った。

サーキット内では各チームのプレスミーティングなどが朝から行われている。また、各チームのピットでは決勝に向けてマシンの最終チェックやトラブルの対応に追われている。
ニッサンチームは予選2日目でレースのプログラムも順調に回転。本来のリズムを取り戻し、雰囲気も明るく、決勝を迎えようとしている。
バンデポール選手は順調に回復、背中に多少のダメージは残るものの地元の一面トップに掲載された紙面をかえって本人がびっくりしながら見ているという。人柄から見舞い客も絶えない。


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ニッサンの応援団の主力である"クラブ ル・マン"のメンバーは、市内のホテル昼食会をもった。

会場には星野一義選手と影山正美選手がスケジュールの合間を縫って駆けつけ応援団にエールを贈った。その後スペシャルイベントとして観光バスでオープンになったコースをバスで一周。星野選手の臨場感のある解説と影山正美選手の昨年のコースアウトのエピソードなどユーモアある解説にメンバーは大喜びする反面、決して速くは無いものの感心することしきりのハッピーなスペシャルラップとなった。


21号車、22号車の各ドライバーは、夕方から恒例のル・マン市内のジャコバン広場からパレードに臨み、沿道の市民やファンの声援にこたえ、明日のレースに向けてさらなる決意を固めた。

決勝は午後4時にスタート。ニッサンチームはスタッフ全員が期するものを持ってスタートを迎える。
栄光の午後4時はその24時間後にやってくる。



les 24 Heures du Mans des 12 et 13 juin 1999.