皆様の代表として
今年も行ってきます。


ニッサンモータースポーツインターナショナル(株)
代表取締役社長
 安達 二郎
 
 
 
ニスモの安達です。

平素は、ニスモにご声援をお送りいただき、あるいはニスモ製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。この場をお借りして、御礼申し上げます。

さて、また、今年もル・マンの季節がやってきました。

昨年のル・マンでは、総合3位に入賞することができ、大変多くの方々にたくさんのお祝いのお言葉を頂戴いたしました。ありがとうございました。

私達は皆様方と共にあの喜びを分かち合えたことが、何よりの財産であると考えています。
今年もル・マンに行くにあたり、私達ニスモのモータースポーツに対する考え方を再度お伝えしておきたいと思います。
レースファンの皆様、ご支援していただけるスポンサー様、ドライバーや私達ニスモ、あるいはその他の関係者全員が手を携え、共にモータースポーツを盛り上げていこう、ということです。
その一環として、私達は、今から4年前、モータースポーツを愛するメンバーシップの集合体として、「クラブ ル・マン」というクラブを作りました。

とても人間くさい、皆が参加できる手作りのレース活動を目指したのです。
この考えに多くの方々が賛同してくださり、7,000人のメンバーを数えるまでになりました。
ですから、ニスモにとってル・マンは、単なる日産グループとしての企業活動ではなく、ましてやニスモ単独の行動でもありません。多くの皆様の期待と情熱を背負って皆様と共に戦うレースなのです。

日産を取り巻く環境が厳しい中、クラブ ル・マンの皆様の熱い情熱がなければ、サルテサーキットでの今年の戦いはなかったかも知れません。実行部隊の私達は、皆様の代表として、サルテサーキットに向かうのです。皆様の熱い思いは、ドライバーやエンジニア、メカニック達の誇りです。モータースポーツの勝敗を決定付けるのは、ハードウェアやドライバーのテクニックだけではありません。時として、幸運、不運といったカタチのないものが作用します。私は、その流れを変えるものが、皆様のご声援だと確信しています。是非、栄光のフィニッシュラインに向けて、私達の、いや皆様のマシンのうしろをプッシュしていただきたいと思います。
 
6月13日、現地時間午後4時を楽しみにお待ち下さい。
 
1999年5月

 
les 24 Heures du Mans des 12 et 13 juin 1999.