「日産がル・マンにこだわるわけは、ル・マンが単なる自動車レースではなく、生活を豊かにする文化として定着しているから。ル・マンを通じ、日産のテーマである"クルマのよろこび"を表現していきたいと思う。」
チーフデザイナーのニスモ永島勉は、「今年のR391は、21世紀に向けてこれからのレースカーのあり方を問うもの。シンプル、軽量がテーマだ。速いだけではなく、24時間のプログラムに沿って走ることができるかが鍵。その上で、乗りやすく、コントローラブルで、運転して楽しいとい感じてもらえるクルマにしたつもり。」とマシンを紹介した。
オープンカーは、95年のF1以来という鈴木亜久里は、本年の日本人ドライバーのまとめ役だ。フォーミュラ・ニッポンの本山哲、JGTCの影山正美というふたりの全日本チャンピオンを前に、「もう速さではこのふたりにはかなわないです。まとめ役だなんて、あくまでもサポートですよ、僕は。」と控えめ。その横で、「ミスター・モータースポーツ」と紹介された星野一義はニヤリとし、「僕が良い意味でのプレッシャーをかけますよ。」と頼もしい発言。昨年の総合3位という自身の記録には満足せず、あくまでも表彰台の真中を目指し、チームを鼓舞する決意だ。
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壮行会は、これらチームの決意表明を聞きながら、ファンとチーム、そして日産/ニスモが団結しようという狙いだ。途中、日産の塙社長も飛び入りし、激励の言葉を残した。また、「クラフ゛・ル・マン」ツアーの代表は、今年もグランドスタンドでの不眠不休の応援を誓い、現地に行けないメンバーたちに恒例となっている応援旗へのサインを求めた。
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参加した面々はすっかり団結し、壮行会は閉会を迎えた。6月8日にル・マン市内ジャコバン・プロムナードでの車検場で、チームと応援団が合流すると、いよいよル・マンのレースウィークが始まる。