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1999年5月31日


ル・マン壮行会レポート(99.05.25)

 
 
 
 ポールリカールでの最終テストを終え、ル・マンの準備はいよいよ最終段階である。5月25日、東京・銀座の日産自動車本社ギャラリーにて、柿元総監督、永島チーフデザイナーら英国のベース基地から一時帰国した日産/ニスモチームのスタッフと、鈴木亜久里、影山正美、本山哲ら日本人ドライバー、そして今年は応援団長としてル・マン入りする星野一義を招いて、「ル・マン壮行会」が開催された。

 会場に集まったのは、文字通り24時間絶えることなく熱烈な声援を送りつづけることで現地でもすっかり有名な日産応援団をはじめとする「クラブ・ル・マン」メンバーが約100名、日産、ニスモ社員、スポンサーほか関係者など総勢250名。日産スポーツ車両開発センターの萩原部長があいさつし、壮行会は始まった。

 「日産がル・マンにこだわるわけは、ル・マンが単なる自動車レースではなく、生活を豊かにする文化として定着しているから。ル・マンを通じ、日産のテーマである"クルマのよろこび"を表現していきたいと思う。」

 チーフデザイナーのニスモ永島勉は、「今年のR391は、21世紀に向けてこれからのレースカーのあり方を問うもの。シンプル、軽量がテーマだ。速いだけではなく、24時間のプログラムに沿って走ることができるかが鍵。その上で、乗りやすく、コントローラブルで、運転して楽しいとい感じてもらえるクルマにしたつもり。」とマシンを紹介した。

 オープンカーは、95年のF1以来という鈴木亜久里は、本年の日本人ドライバーのまとめ役だ。フォーミュラ・ニッポンの本山哲、JGTCの影山正美というふたりの全日本チャンピオンを前に、「もう速さではこのふたりにはかなわないです。まとめ役だなんて、あくまでもサポートですよ、僕は。」と控えめ。その横で、「ミスター・モータースポーツ」と紹介された星野一義はニヤリとし、「僕が良い意味でのプレッシャーをかけますよ。」と頼もしい発言。昨年の総合3位という自身の記録には満足せず、あくまでも表彰台の真中を目指し、チームを鼓舞する決意だ。

 壮行会は、これらチームの決意表明を聞きながら、ファンとチーム、そして日産/ニスモが団結しようという狙いだ。途中、日産の塙社長も飛び入りし、激励の言葉を残した。また、「クラフ゛・ル・マン」ツアーの代表は、今年もグランドスタンドでの不眠不休の応援を誓い、現地に行けないメンバーたちに恒例となっている応援旗へのサインを求めた。

 参加した面々はすっかり団結し、壮行会は閉会を迎えた。6月8日にル・マン市内ジャコバン・プロムナードでの車検場で、チームと応援団が合流すると、いよいよル・マンのレースウィークが始まる。

les 24 Heures du Mans des 12 et 13 juin 1999.