エンジンはターボラグによって生じる問題を避け、24時間以上、どんな気候の変化の中でも競争力ある走りが実現できるようにNAが選ばれた。
VRH50Aを担当するニスモのエンジニア、高野宏はこう説明する。
「排気量の大きいNAエンジンは長距離のレースにおいて優れたパフォーマンスを発揮する。コース状況が変わったり、ドライバーが疲労しても、車は非常に運転しやすく、一貫したラップタイムをより簡単に出せる。NAエンジンは空力においても優れた性能を出しやすい。エンジンはターボ付きよりも小型で軽量。ターボ、インタークーラー、ウエストゲートが無いので、ボディに搭載するのはとても簡単だ。」
■パワー規制
日産のVRH50Aエンジンのパワーはレースのレギュレーションによって制限されている。シリンダーブロックの左右のバンクにはそれぞれメインインレットマニホールドがあり、それぞれ1個ずつエアリストリクターが装着されている。
■開発プログラム
VRH50Aエンジンの開発がスタートしたのは18カ月前の事だが、最初に作られたエンジンは1年以上もかけてベンチテストが行われた。