11月7日、富士スピードウェイのある静岡県東部駿東郡は朝から曇り、前日の鮮やかな富士山はすっかり姿を隠していた。そんな中、「ル・マン富士1000kmレース」はスタートを迎えた。下見走行ののち、10:45には各車ともスターティンググリッドにつく。とした時、突然小雨が降り出した。各チーともスリックタイヤでのスタートを予定していたが、ピットから慌しくインターミディエイトタイヤをグリッドに運び込み、状況の推移を見た。ニスモチームは、スタート直前に西の空が明るくなったため、スリックタイヤをチョイス。フォーメーションラップをスタートさせた。
ペースカーの先導によるローリングラップは通常1周だが、この日はコースコンディションがセミウェットのため、3周目にようやくグリーンライトが点灯。レースはスタートした。
ニッサンR391は、2位のポジションからスタート。オープニングラップは、慎重を期して後続の#21、#61に先行を許す。しかし、スタート6周目に2番手に戻り、徐々に乾いていく路面状況に合わせてラップタイムを上げていった。トップのトヨタには約20秒の差をつけられたが、ラップタイムはほぼ互角。1'20"前後でレース序盤を周回した。39ラップ目に1回目のピットイン。給油のみでドライバーチェンジもタイヤ交換も行わず、約30秒でコマスはレースに戻った。これが効を奏し、43周目にトヨタがピットンし、ドラバー交代とタイヤ交換をしているうちにその差を縮め、トヨタがピットアウトした時には12秒のアドバンテージをゲットし、レースをリードすることとなった。
その後、トラブル車両排除のためペースカーが入ってフルコースコーションとなり、じわりと広げた約15秒の差は、コーション解除時には約2秒に縮められてしまう。
ところが、約9秒差をつけた59周目、トヨタがコーション時の追い越し禁止違反でピットでのエンジンストップ60秒のペナルティを課せられたため、差を1ラップ以上離して堂々トップのポジションをゲットした。