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本年のSUPER GT第3戦は、首都圏からのアクセスが容易な富士スピードウェイが舞台となった。ゴールデンウィーク恒例のこのビッグレースには予選日にもかかわらず多くの観客が集まり、パドックやグランドスタンドは家族連れで多いににぎわった。この日の静岡県東部の天気は晴れ。公式予選が始まった午前10時20分の気温は14度であった。
第2戦岡山ラウンドから約1ヶ月のインターバルを経て、41台のGTマシンが富士スピードウェイに集結した。SUPER GTの特色である性能均衡対策は本年からさらに細部に踏み込み、車種+タイヤ銘柄による性能調整が導入されることとなった。レース中のラップタイムを車種毎に比較し、ハンディウェイトの搭載または重量低減措置により性能差をアジャストするというもの。これにより、この第3戦は、Z+BSタイヤ勢のハンディウェイトは+25kgということになった。NSX+BSも同様で、一方スープラ+BSは-25kgの優遇措置が受けられる。5台のZ勢はADVANタイヤを装着する「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24、エリック・コマス/柳田真孝)を除く4台がこの調整対象である。また、1.5kmのストレートをもつ富士スピードウェイに合わせるため、GT500 Z勢は全車ロードラッグ(低空気抵抗)仕様の空力セットで臨んでいる。フロントスポイラーの先端が尖り、その両端の前後幅が極端に短くなっているのが特徴だ。
公式予選は、例によってGT300の専有走行から始まり、20分後の10時40分からGT500のタイムアタックショーが行われた。25kgの追加ウェイトを積んだZ勢は、「XANAVI NISMO Z」(#23、本山哲/松田次生)がさらに10kg、「MOTUL AUTECH Z」(#22、ミハエル・クルム/山本左近)は30kg、「イエローハットYMSトミカZ」(#3、横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が30kgのハンディウェイトを積んでいる。「カルソニックIMPUL Z」(#12、ブノワ・トレルイエ/星野一樹)は25kgのみ。このウェイト増の影響でZ勢はタイムが伸びず、クルムが記録した#22 Zの9番手が最上位。10位にオリベイラの#3 Zが入り、スーパーラップにはこの2台が進出することとなった。GT300との混走時間には、燃料タンクを満タンにしてセカンドドライバー中心のロングランを走ったが、Z勢はSC430やNSXのトップグループと同等のタイムを連発していた。
決勝のトップ10グリッドを決めるスーパーラップは、午後4時にスタートする。
「昨日の公開練習が雨だったため、ドライのセットアップができなかったのですが、富士では十分にテストしていてデータもあるので、決勝レースに対しての不安はありません。#22はセットアップもすぐに良い方向が見つかり、タイムアタックもまあまあのできでした。#23はタイヤが少しハード気味だったこともあり、ややグリップ不足でした。(前日の雨で)空力のセッティングが詰め切れていなかったこともあります。しかし、明日の決勝は今日より気温が上がると予想しているので、レースではこのタイヤでもあまり心配していないですね。2台ともロングランでは良いタイムが出ています。なので、レースはロスを減らし、ミスをおかさず、ニスモ持ち前の総合力を発揮できれば良い結果がついてくると考えています。レースは、長丁場の500kmですからね」
「ひと月前に富士でテストした時と違うのは25kgの追加ウェイトを積んでいること。なので、クルマのバランスはまだ完璧とは言えません。スローコーナーではアンダーステアが、ファストコーナーではリアが少しナーバスに反応しますので、決勝レースまでには改善したいですね。でも、悪いフィーリングではないので、スーパーラップではひとつかふたつ順位をあげておきたいと思います」