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陽もかげり肌寒さをおぼえる16時半過ぎの富士スピードウェイ。スーパーラップ3台めのアタックに出て行ったのは、Zの中で唯一スーパーラップ進出を果たした#46 Zの佐々木。直前の予選2回目にオイル処理のために撒かれた石灰の粉が舞う中、前に走行した2台よりも速いタイムで駆け抜ける。そして最終コーナー手前のネッツコーナー立ち上がりで、わずかにコースをはみ出しながらも何とかしのいで暫定トップに立った。スーパーラップ終了後、ポジションは6位となり3戦連続のポールポジション獲得こそならなかったが、予選1回目よりポジションをひとつ上げることに成功した。
「スーパーラップは中古タイヤだし、はみ出たときのタイムロスはコンマ1秒ぐらいでしょう」と佐々木。予選1回目に2セットのタイヤを使いきってのスーパーラップだっただけに、6位というポジションに安堵の表情を見せた。
前日の雨と霧がウソのように、富士は早朝から五月晴れとなり富士山も美しい姿を見せた。今回#46 Zは30kg、#13 Zは25kgのウェイトハンディを搭載。#47 Zは1ランクアップの性能調整を受けている。
GT300クラスの予選1回目は、専有走行枠終了時点で1分43秒079というトップタイムから1秒の間に、何と15台もの車両がひしめき合うという大接戦となった。しかしスーパーラップに進めるトップ10には、Zの姿はなかった。出走26台の中で、#13 Zの影山が1分43秒631で12位、#46 Zの佐々木が1分43秒707で14位、#47 Zは「他のクルマに進路を塞がれたり思うようなアタックができなくて」(安田)、1分44秒196で17位。
GT500の専有走行が終了し両クラスの混走枠となり、#13 Zと#46 Zは2セット目のタイヤを装着して再びアタックに出た。専有走行枠より出走台数が多く混雑する中、#13 Zは1分43秒583にタイムアップを果たすがポジションはアップならず。#46 Zは1分43秒306にタイムを上げて7位に飛び込んだ。佐々木は第2戦に続いて、混走枠でのベストタイム計測だった。「決勝のことを考えて硬いタイヤを選んだけど、予選には硬すぎたな。でも明日はバッチリ!」と#13 Zの中村吉明監督は、既に気持ちを切り替えていた。
午後の予選2回目、1コーナーで#46 Zと他車両のラインが交差して佐々木の目の前でスピン。軽い接触で済み、2台に大きなダメージがなかったのは幸いだった。#13 Zと#47 Zは満タン走行で車両の挙動をチェックして明日の決勝に備えた。明日の決勝は通常のレース(約300km)より長い500km。Zは2回のピット作業を予定しているが、ライバルの中には1ピットを予定している車両もある。路面温度とタイヤのマッチングはどうなのか? 天気予報は明日もおおむね晴天と伝えている。
「1回目の専有走行枠ではクリアラップが取れないこともあったのですが、セッティングがダメでした。なので混走枠でセッティングを変えてもう1回アタックに行ったらうまくいきました。スーパーラップは予選1回目に使ったタイヤで、1回目より速いタイムが出たので、まあコースをはみ出したのはありましたけど上出来です。明日は僕が2回(のスティントを)乗ることになるでしょう」