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SUPER GT第3戦富士ラウンドの決勝レース日となった5月4日(祝)、富士スピードウェイでは午前8時50分からフリー走行が行われた。出走したGTカーは、GT500が15台、GT300が26台の合計41台。この日の天気は曇りで、路面はドライ、気温はフリー走行開始時で15度であった。富士スピードウェイは、レース当日朝の周辺道路混雑を考えて前夜からゲートをオープン。場内でのキャンプや車中泊組を含め、多くの観客が朝早くからコースサイドの観戦ポイントに集まっていた。
金曜日の練習走行が雨と濃霧のため、セッティングが計画通りに進んでいないチームが多い。前日の予選は、決めうちで臨んだものの、500kmの長丁場を乗り切るためには少しでも快適なセッティングに仕上げ、ドライバーやタイヤへの負荷を低減しておきたいもの。30分間のフリー走行がセッティングチェックのための最後のチャンスである。
このセッションで最も目立っていたZは、「WOODONE ADVAN Z」(#24、エリック・コマス/柳田真孝)。開幕戦鈴鹿、第2戦岡山ともふるわなかったが、今回は2ランクアップのエンジン性能調整を受けたことと、またブリヂストンタイヤを装着する他のZ勢がそろって25kgの追加ウェイトを乗せているのに対し、こちらはゼロ。これまでのうっぷんを晴らすかのように、
ハイスピードコースである富士スピードウェイをイキイキと走り回っていた。18周走行し、ベストタイムは柳田が出した1分36秒096で5番手タイムであった。近藤真彦チーム監督も明るい表情で、ドライバー二人とともにグランドスタンドの日産応援ブロックに赴き、挨拶していた。Z勢のセカンドベストは「イエローハットYMSトミカZ」(#3、横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)で、今週末のセットアップを担当しているオリベイラが7番手タイムの1分36秒144をマークした。
ニスモは、「MOTUL AUTECH Z」(#22、ミハエル・クルム/山本左近)が決勝セットアップを進めながら17周を走行。最初に走行したクルムが、高速コーナーでオーバーステア、スローコーナーでアンダーステアとナーバスなハンドリング特性を指摘。後半を担当した山本が走りながらアンチロールバーの強弱を調整し、改善策を探った。一方、「XANAVI NISMO Z」(#23、本山哲/松田次生)は、松田がセッションをスタート。セッティングを変更することなくロングランを走り、本山に交代するスケジュールだったが、7周終了後の第1コーナー先で突然エンジンストップ。コカコーラコーナー手前のグリーンにマシンを停車し、松田はヘルメットを脱いだ。
#23 松田次生
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「昨日の2回目の予選で結構良いセッティングが出ていたので、今朝のセッションは僕がまずフィーリングチェックし、その後本山さんにクルマを渡す予定でした。シャシーのバランスはとても良く僕はハッピーだったのですが、あとはピットインするだけ、という時に突然エンジンが止まってしまいました。クルマはスタートまでにチームが直してくれることだと思います。レースでは、僕がスタートし、残りを本山さんが走ることになります。なるべく上位のポジションで本山さんにクルマを渡したいと思います」
ニスモ飯嶋嘉隆監督
「#23がストップした原因はまだわかりませんが、エンジンを交換することにしました。最後尾スタートになってしまいますが、スタートさえできれば面白いレースをお見せできると確信しています。松田がスタートを担当します。また、#22は、セッティングを向上させるポイントがわかったので、不安はもうありません。こちらは7番手スタートだし、序盤からグイグイ行きます。マイケル(クルム)がスタートし、途中(山本)左近に交代して、最後はまたマイケルに戻す予定です。表彰台を狙いたいですね」