#47 | 吉兆宝山 DIREZZA Z | (長島正興/安田裕信) | 10位 |
#46 | 吉兆宝山 DIREZZA Z | (佐々木孝太/番場琢) | 12位 |
#13 | エンドレス アドバンCCI Z | (影山正美/藤井誠暢) | 16位 |
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気温8℃でときおり雪も舞う鈴鹿に、魔物は潜んでいた。レース中盤、表彰台を狙っていた#13 Zの藤井が、そして#46 Zの番場が、ドライバー交代を終えてコースに入ったそのアウトラップでコースアウト。冷えた路面でタイヤがグリップを失ったのだった。
レースが終了しピットへ戻ってきたふたりは神妙な顔つきで、先輩ドライバーやチームスタッフに謝るしかなかった。経験が浅いと言ってしまえばそれで終わりだが、彼らはこの苦い経験を糧にしていかねばならない。
決勝レースのスターティングドライバーは、ポールポジションの#46 Zが佐々木、4位の#13 Zが影山、そして16位の#47 Zが長島。今回、速さを見せたのは昨年途中にGT500からGT300にクラスを落としてきた2台のランボルギーニだった。ポールスタートの#46 Zの佐々木は、「ブロックすらできないほどの速さ。ヘアピンを立ち上がったときに先行させてタイヤがタレるのを待とうと思ってましたけど、それより僕の方が先にタレてしまった」と苦笑した。その佐々木は#13 Zを先行させたが、ペースが思うように上がらず徐々にポジションダウン。代わってトップの#87ランボルギーニを追ったのは#13 Zの影山だった。もう1台の#88ランボルギーニを巧みにブロックしながら2位を守っていたが、8周目の1コーナーでかわされ3位に。そして12周目の1コーナーで#7 RX-7にも抜かれて4位へドロップした。
一方、#47 Zの長島は、落ち着いてステディなドライビングを続けていった。同じチームの#46 Zとピット作業が重なるのを嫌い、11位までポジションを上げた23周目に早めのルーティーンピットイン。ドライバー交代時にベルトがはまらず少々のタイムロスはあったものの、安田がコースへ出ていった。
中盤の27周目、3位走行中の#13 Zの影山がルーティーンのピットイン。丁度2位の#87ランボルギーニがピットアウトするタイミングと重なりひやりとさせたが、ピットワークはほぼ完璧に決まり藤井がコースへ。「路面が冷えているので気持ち的にはずいぶん抑えたんですが」とレース後に藤井は悔しがったが、1コーナーでコントロールを失いまっすぐタイヤバリアに。コースへ復帰したもののポジションを大きく落とし、タイヤを傷めたこともあり、タイヤ交換のために2回目のピットインを余儀なくされてしまった。
次の28周で2位にポジションを上げていた#46 Zの佐々木がピットへ。番場がステアリングを握りコースへ出て行った。しかし、アウトラップのデグナーで番場もまさかのコースアウト。こちらもポジションを大きく落としてしまった。
GTデビュー戦ながら、#47 Zの安田は32周目にポイント獲得圏となる10位へポジションアップ。さらに36周目には#52セリカをパスして9位へ。このまま2ポイント獲得かと思われたが、終盤の44周目に#14ポルシェに譲ってしまい10位でチェッカー。しかし貴重な1ポイントを獲得した。
長島正興(#47吉兆宝山 DIREZZA Z/10位)
「早めのピットインという作戦でしたが、確実に周回を重ねてピットに戻るということを考えて走りました。ドライバー交代のときに、シートベルトのロックが調子悪くてタイムロスはあったんですが、大きなミスもなくポイントを獲れたことはうれしいです。次の岡山ではもっと上を目指したいです」
安田裕信(#47吉兆宝山 DIREZZA Z/10位)
「(後ろにいた)『ポルシェをいかせてもいいですか』とピットに確認したのですが、無線の調子が悪くて聞こえなくて譲ってしまったんです。同一周回と分かっていれば絶対に行かせなかったのに。ごっついショックです。クルマはすごくいい感じでした。ポイント獲得は素直にうれしいです」