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午前中の予選が終了した後、鈴鹿サーキットは雨模様となり、コース上は完全なウェットとなった。気温は10度前後と、この時期にしては肌寒い。そして、午後2時から行われた15分間ずつの公式予選2回目はウェット宣言が出され、各チームとも慌ただしくレインタイヤを準備した。通常はスーパーラップ進出車がタイムアタックに備えた準備をこの時間帯に行うが、この日はまずウェットコンディションに対応することが第一の目的となった。決勝レースが雨になる可能性もあるため、マシンのレインセットも確認しておきたいからだ。
15分間のセッションでリーダーボードの上位を占め続けたのはZ勢であった。「MOTUL AUTECH Z」(#22ミハエル・クルム/山本左近)、「カルソニック インパルZ」(#12ブノワ・トレルイエ/星野一樹)、「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24エリック・コマス/柳田真孝)、 「イエローハットYMSトミカZ」(#3横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、「XANAVI NISMO Z」(#23本山哲/松田次生)の順に並んだ。セッション終了間際に#18 NSXがトップタイムを更新したため、日産勢は2位から5位までを占める形となった。柿元邦彦日産系チーム総監督は、「コーナーでダウンフォースを稼げているから、雨でも速いんですよ」と満足顔であった。
そして、いよいよ本年最初のスーパーラップとなった。昼頃から降り始めた雨は3時過ぎにはピークを越え、15:35から行われたGT500のスーパーラップ開始時には一時的に降雨はストップ。コース上の雨水は徐々に引き始めていった。
Z勢のトップランナーは、#3 Zの横溝。雨がやんだ好条件ではあったが、7番手タイムでスーパーラップを終えた。しかし、本山がステアリングを握った#23 Zが走り始める頃には、コースには所により小雨が再開。不利な条件となっていった。結果は予選4位。続くクルムの#22 Zもこの悪条件の中、ミスなく果敢なアタックランを見せ3位をキープした。Z勢の最後に走った#12 Zは、トレルイエがコースイン。難しい条件のもと、滑るマシンをねじ伏せて走ったが、二度コースアウト。そのままコースに戻れたため、ダメージはなかったものの、順位は8位となってしまった。この結果、Z勢はニスモの2台が3位・4位でセカンドロウを、#3と#12が7位・8位で4番ロウに並ぶこととなった。
#22ミハエル・クルム
「予選はトップ3以内が目標だったので、よくできたと思う。しかし、コンディションが刻々変わる中での予選だったので、今年のZの本当の力を見せることができませんでした。明日のレースでは、本当の実力をお見せしますので、楽しみにしてください。昨年の開幕戦はポールからのスタートでうまく行かなかったので、今年の3番手の位置はむしろ良い場所だと思います。予選でポイント1を取れましたしね」
飯嶋嘉隆ニスモ監督
「3位・4位のセカンドロウは、まあまあ良い結果でしょう。クルマの状態も良く、ドライバー達のモチベーションは非常に高いので決勝レースは楽しみです。セカンドロウに並んだのは、同士討ちを避ける意味でも良い位置ですよ。決勝レースでのチームの方針は、序盤からリードを築いて積極的に攻めるレースをすることです。明日の天気はドライだと予想していますが、たとえ雨でも問題ありません。うちはウェットレースを想定した練習もずいぶん積んでいますし、そういう混乱した時こそニスモのチーム力が強みを発揮するはずです。私個人としては、監督デビューレースなのでなるべくシンプルに戦って結果を残したいです。頑張りますのでご声援をよろしくお願いいたしします」