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3月18日、今年のSUPER GTシリーズがいよいよ開幕を迎えた。鈴鹿サーキットには、土曜日にも関わらず朝から多くの観客がつめかけ、待ちに待ったシーズンインを満喫している様子。午前9時50分から本年初の公式予選が始まり、レースカーのエキゾーストノートがサーキットに響き渡った。
GT500専有時間となりいち早くコースに入っていったのは、日産勢のニューカマー「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24エリック・コマス/柳田真孝)であった。そして、20分間の計測時間が10分ほど経過した後、他の日産勢もコースインしていった。5台のZは、全てリファインされた空力ボディが特徴の06年仕様。「XANAVI NISMO Z」(#23本山哲/松田次生)と「MOTUL AUTECH Z」(#22ミハエル・クルム/山本左近)の2台がレッド基調のマシンで、「カルソニックインパルZ」(#12ブノワ・トレルイエ/星野一樹)はブルー、「イエローハットYMSトミカZ」(#3横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がイエロー、#24 Zがブラックベースのマシンだ。
前日の練習走行でも好タイムで周回し、午前午後4時間あった走行時間のベストタイムを記録した#12 Zがタイムアタック合戦でも好調をアピール。トレルイエがマークした1分52秒853のセカンドベストタイムは、トップの#8 NSXが出したコースレコードからわずか0.2秒差。その0.1秒差でクルムの#22 Zが続いた。
ニスモのエースカー、#23 Zは本山がタイムアタックを担当。アタックラップで他の車両に引っかかりながらも、1分53秒063で4位に続いた。昨年のF3ドライバーコンビが乗る#3 Zは、オリベイラが8番手タイムを記録。Zでの初タイムアタックでスーパーラップ進出を決めた。Z勢で唯一ヨコハマタイヤを装着する#24 Zは、セッション序盤に1分55秒292を出したが、その後タイムが伸びず14位で予選を終えることとなった。柿元邦彦日産系チーム総監督によると、「タイヤの構造がブリヂストンとヨコハマでは根本的に異なり、サスペンションのセットアップは大きく考え方を変える必要があります。まだセッティング途中ということです」とのこと。
GT300との混走時間には、各車ともセカンドドライバーのクォリファイと決勝用セットアップのチェック走行を行った。
一回目の公式予選が終わって、鈴鹿上空の天気は急に暗転。その後、雨がポツポツとグランプリコースを濡らし始めた。二回目の予選は午後2時から。その後スーパーラップが行われ、決勝レースのスターティンググリッド10位までが決定される予定だ。
飯嶋嘉隆ニスモ監督
「今年のZは、昨年のクルマから主にエンジン、空力をリファインさせました。エンジンは中低速トルクを重視しながらトップエンド領域も改善しています。ホディワークについては、特にリアセクションの形状を大きくモディファイしています。ドラッグ(空気抵抗)を悪化させずに、ダウンフォース増を実現しました。これによって、コーナリング前後の加速・減速時の姿勢変化でハンドリング特性が変わってしまう昨年の課題を解決しました。ドライバー達にもこれは好評で、これが予選一回目のタイムに現れているのだと思います。私自身監督として最初の予選で高い位置でスーパーラップに出られたので、まあまあ上出来だと思っています。クルマもドライバーに優しい、タイヤにも優しいものに仕上がりました。明日の決勝も良いレースができると思います」