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SUPER GT 日産系チーム総監督 柿元邦彦 再び「速いZ」の復活を目指す。
ショートインタビュー
今年の目標は、もちろん日産チームがドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得することです。昨年はニスモが苦労しながらも、最終戦・鈴鹿で3年連続のチームチャンピオンとなりました。ですから、今年は早めにチャンピオンを決めたいと思っています。そのためには序盤からしっかり結果を残すことが重要となるでしょう。昨年は開幕戦でつまづきましたからね。
事前テストにおいてもクルマの調子はいいですから、この調子のよさを結果につなげるようにしたいです。今年のZは、「速いZの復活」をテーマに作りました。04年はオールスター戦を含めた全8戦で5勝を挙げたのに、昨年は1勝だけでした。ですから今年はZの速さを取り戻そうということで、取り組みました。まずはエンジンですが、出力とレスポンスの向上を図りました。そしてボディについては、空力性能の向上です。これはZを見てもらえば分かると思いますが、フロント、サイド、フェンダーのエアロパーツのデザインを変更し、エンジンルームやリア部分からエアを抜くことでドラッグを減らしてダウンフォースを得るという相反することを行ったのですが、テストでもいい結果を確認できました。特にリアまわりはずいぶんと印象が変わったのではないでしょうか?

また、今年は新しいドライバーが増えましたので、懸念がないわけではありませんが、シーズンを通して育ってくれると思っていますし、結果は十分に残せるような選手を選んでいます。GT500のルーキーとなるオリベイラ、横溝、(星野)一樹らもテストを重ねるたびに、徐々にではありますが伸びています。Zはターボ車ですからインタークーラーなどNA車には装着されていない多くの部品が載っていますし、エンジンのレスポンスもNA車とは異なるため多少クセがあり、乗り方は難しいんです。これに早く慣れて欲しいです。

今年日産勢は5台のZでSUPER GTを戦うことになりますが、KONDO RACINGの1台だけが他と違って横浜ゴムのアドバンタイヤを履きます。ドライバーはふたりともZのことを知っていますし、アドバンは気温がマッチすれば速いと思いますよ。実際セパンテストでも速かったですし。1勝を挙げるというのは大変だと思いますが、頑張ってほしいですね。
今年はチームタイトルのポイント計算が変更され、ドライバーズタイトルとチームタイトルの区別がつきにくくなってしまいます(06年のチームタイトルは車番でカウントするため、2台を有するチームも別チーム扱いとなり、ニスモも22号車と23号車の2チーム扱いとなる)。新しい試みですが、ファンにとってわかりやすいのか否か、評価を待つ必要がありそうですね。

ニスモは23号車、22号車、どちらにもタイトルを争うチャンスがあると思います。まずは鈴鹿で結果を残すことですね。どのチームも必死になって戦っていきますので、ぜひZを応援していただきたいです。