体力アップのトレーニングは、FD(フォーミュラドリーム)に乗ってるころから始めました。周囲の勧めもあり、トレーニングをやっておくにこしたことないし、
速く走る上で最低限のことはやっておこうと思いました。F3を乗りこなすための体力、フォーミュラ・ニッポンを乗りこなすための体力はやはり違いますし、徐々にメニューを変えていきました。F3に比べてフォーミュラ・ニッポンで要求されるのは持久力ですね。身体全体のパワーをいかに持続できるかが要求されますし、特に肩周りの筋力が必要です。フォーミュラ・ニッポン用の身体になれば、GT500は問題ないです。
ドライバーに必要な筋肉は、カテゴリーによっても異なると思いますが、肩、胸、背中、お腹と身体を支える部分が中心です。もちろんステアリングさばきのためにも、二の腕の下なども他のスポーツでは余り使わない筋肉にもトレーニングが必要でしょう。
この間(SUPER GTの鈴鹿)のクラッシュでは首を痛めましたが、トレーニングをやってたからあの程度で済んだのかもしれません。
僕の場合、今のトレーナーに見てもらって4年になります。ジムが目の前にあるからという理由で、今住んでる部屋も選びました。トレーニングメニューは自分なりに作ってあるんですが、たまにアドバイスをもらっています。この筋肉がつらいからこういうトレーニングをすればいいとかですね。シーズン中は毎日筋トレしてるというわけではないんですよ。どちらかというと、ベストな状態を保つために筋肉は休ませますから。しいて言えば、筋肉痛を起こさないようなトレーニングをやっていると言えばいいでしょうか。
実は僕自身、あまり筋肉はつけたくないんです。フォーミュラの狭いコクピットでは足や腕の太い筋肉は邪魔ですよ。レースじゃなくて普段歩いているときも、そうですね。それにトレーニングやって上半身が逆三角形になると、シャツだってお腹のあたりがダブダブになっちゃいますし、ファッション的にも好きじゃない。それに、すぐに筋肉が太くなるプロテインは飲みません。アミノ酸やビタミンなどのサプリメントは摂っていますが。筋肉が細いままでもパワーを上げることはできるので、そんな筋肉を作っています。
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他にやってるトレーニングは、夏場のレースのためのもの。特にセパンの前には厚着をしてトレーニングをやったり、サウナで筋トレやったり。他の人が見たら危ない光景ですけどね(笑)。暑くて苦しい中でも身体を動かせられるよう、精神的にも鍛えます。
それと単に筋トレだけやってもダメなんです。基本はランニング。まずランニングやエアロバイクで身体を温めて、筋トレでケガをしないようにします。
筋トレでは乳酸が溜まりますから、その後にもランニングで乳酸を体外に出して、できればクールダウンのためにスイミング。これが理想ですね!
オフにはARTAドライバー+αで2週間のサイパン合宿をやって、集中してトレーニングします。トレーナーも2〜3人ついてきますし、ひとりでやるよりもやはり競争相手がいると限界近いところまでやれますし。
Gに耐える身体、持久力、そして精神的なタフさがドライバーには必要だと思います。
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