僕は去年JGTCとフォーミュラニッポン、ふたつのチャンピオンを獲りました。このふたつのカテゴリー、それぞれの特徴を簡単に言うと、GTはパートナーとシェアするクルマ、フォーミュラは自分ひとりで集中するクルマということができます。つまりGTはタイヤやギア比などパートナーとの妥協点を見つけていくクルマで、時には自分がガマンすることもあります。
でもフォーミュラはドライバーのスタイルに合わせて自分専用にできます。そういう違いがあるので、全く別のものだと思っています。
GT500のZは、ハンドリングの感覚はフォーミュラとツーリングカーの間に位置するようなクルマです。車重もフォーミュラに比べて重いし、ドライビングアプローチも全く別の世界なんです。でも運転の切り替えは僕の場合はわりと簡単。違和感はないですね。コクピットに座ったら頭で考えるというより体が反応して、コースインして最初のコーナーでハンドリングとブレーキを確認したら、次のコーナーには全開で入っていけるんです。
日本に来る前、2000年にはイギリスでフォーミュラ・パーマー・アウディ(F3の上のワンメイクフォーミュラ)、フォーミュラ・ルノー(F3の下のクラス)、
FIAスポーツレーシング・ワールドカップ(プロトタイプカー)、
イギリスGT選手権(マーコス)といろんなカテゴリーで走って勝ったこともあるし、日本に来てからもGTではマクラーレン、NSX、Z、フォーミュラ・ニッポンではGフォース、レイナード、ローラ……
いろんなクルマにも乗ったし、こんな短期間にいろんなクルマをのったヤツって珍しいんじゃない?(笑)
僕自身はいろんなカテゴリーに乗るというのは、いいことだと思います。仕事もそうだけど、人間って何かに慣れてしまうと問題点に気づかないことだってありますし、カテゴリーを変えることはフレッシュな気分になれますよね。これは学校に行くようなもので、いろんなことを習って知識を高めて大人になるんだし、いろんな教科を学ぶことによっていろんな発見があると思うんです。
僕の場合は、長い耐久レースもスプリントレースも、フォーミュラもツーリングカーも、そこそこにできると思っています。
 |
Copyright © NISMO |
まだすべてにおいて完璧ではないけれど、自分としてはパーフェクトを目指したいですね。
GTで予選アタック? 僕は勝つためにNISMOに来たんだし、それはやっぱり任せてもらいたいですよ。去年のカリフォルニアでは予選を担当させてもらいまし、先日のオートポリスでもアタックしましたし、いつでもOKです。
パートナーの(本山)サトシが担当することが多いけど、チームの考えは理解できます。
今のスタイルが自然だと思います。
|
 |