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RACE SCHEDULE
International Pokka 1000km
BP ADVAN GT-Rがクラス2位でゴール
MOTUL ADVAN Zはトラブルもあり、チェッカーは受けるも順位はつかず

第33回インターナショナルポッカ1000km
スーパー耐久・鈴鹿300マイル 5月15〜16日(決勝16日)
8月21〜22日 鈴鹿サーキット(三重県)
夏休み終盤恒例の耐久イベント、通称:鈴鹿1000kmこと第33回インターナショナルポッカ1000kmが、8月21〜22日に三重県の鈴鹿サーキットで開催された。参加車両はGT500、GT300、スーパー耐久、ひとり乗りのスポーツカーであるRS、ワンメイクレースや鈴鹿クラブマンレースのGTなどのOPEN、合計5つのクラスに区分され、日産車はS耐クラスにフェアレディZとスカイラインGT-Rの2台が参加した。

#230 MOTUL ADVAN Zは、現在S耐クラス3で3連勝中の#245モバイルキャスト アドバンZと同じスペックの新車。ドライバーは黒澤治樹/柳田真孝/星野一樹と、往年の名選手(黒澤元治、柳田春人、星野一義)の二世ドライバーが組み、大きな話題を振りまいた。
今回初めてS耐のフェアレディZをドライブする黒澤は、「Zはドライバーを選ばないといっていいほど非常に乗りやすいです。与えられた仕事をすれば自ずと結果はついてくるでしょう」と自信をのぞかせた。柳田は「順調です。伝統の1000kmに出場するのは初めてですが、何事も経験ですね」とロングランレースが楽しみでならない様子。チームの軸となる星野は「今年はいつもよりずっと涼しい。クルマは普段乗ってるS耐のZと変わらない。普通に走ればポルシェやGT-Rが速いでしょうけど僕たちにだって大いにチャンスはあると思います」と前日シェイクダウンしたZでのクラス優勝を目指した。
また#1 BP ADVAN GT-Rは、粕谷俊二/見崎清志/OSAMUとベテラン3人が組んで、久々に鈴鹿のファンに雄姿を見せた。S耐クラスは排気量などによる通常のクラス区分はなく、クラス1から4までが同じ枠となる。今回合計30台のエントリーがあった中で、S耐クラスには最多の10台が参加し一番の激戦区となる。

予選日となる21日は、朝から曇りで気温も30℃に届かず、例年よりかなり涼しいコンディションとなった。11時25分から30分間がS耐/RS/OPENの予選1回目。
#230 Zは、まず星野が2分20秒715とクラス3位のタイムを出し、柳田、黒澤も基準タイムをクリアした。#1GT-Rは粕谷が2分21秒128と4位につけOSAMUが基準タイムをクリアした。
予選2回目は15時55分から30分間行われ、#230Zの星野が2分20秒007にタイムアップし、あとは決勝用のセッティングを確認した。#1GT-Rは見崎が基準タイムをクリア。この結果、#230Zは、#32ポルシェ、#6ランサーに続くクラス3位(総合22位)、#1GT-Rはクラス4位(総合24位)となった。なお総合のポールは#18NSXで、トップ3をGT500が占めた。
22日も曇りで湿度が高い。気温は30℃前後でやや蒸し暑い天候となった。決勝のパレードラップは13時にスタート。3万1000人のファンが注目する中、13時5分にグリーンランプが点灯して1000km耐久レースが始まった。#1GT-Rの粕谷はターボパワーを生かしクラス2位に浮上。#230Zの黒澤は#6ランサーの直後、4位のポジションでチャンスをうかがった。GT300クラスと同レベルの速さを見せる#32ポルシェはあっという間に独走状態となるが、15周目のヘアピンでブレーキトラブルのためにクラッシュしリタイアを喫してしまった。
レーススタートから1時間10分経った14時18分、まずクラストップに立った#1GT-RがピットインしOSAMUに交代。14時30分を過ぎて#6ランサーがピットインすると#230Zがクラストップに躍り出た。14時45分、インラップを迎えた#230Zの左リアタイヤが突然バーストしてスローダウン。何かの破片を拾いスローパンクチャーからバーストしてしまったのだった。何とかコースを1周して黒澤はピットイン。柳田に交代してコース復帰し、前を行く#6ランサーを追った。しかしアウトラップの最終コーナーを過ぎたあたりでエンジンがストップ。柳田はストレートを惰性で走りながらキルスイッチを入れなおした結果、エンジンが息を吹き返して事なきを得た。

15時40分、#1GT-Rが2回目のピットインで見崎に交代。クラス2位をキープする。
そして15時55分、そこまでクラス3位を走行していた#230Zがヘアピンでクラッシュ。タイヤバーストが原因で駆動系の電気ディバイスに影響が出て、ここから突然のエンジンストップ、さらにはABSが誤作動を起こしたようだ。
柳田はコース復帰してピットイン。クラッシュの衝撃であごを少し切っていたが大きなケガがなかったのは幸いだった。チームは応援に来てくれたファンのためにもリタイアをせずに、車両を修復することにした。1時間45分をかけて修復なったZに星野が乗り込む。1周して走行をチェックし、アライメントを直して再びコースイン。しかし3周して再びABSに問題を抱えピットインした。その間#1GT-Rはステディに走行を続け、クラス2位をキープしていた。
日が傾き18時にはライトオンの指示が全車に出され、サーキットはたそがれ時の独特のムードに。終盤、#230Zは星野が引き続きステアリングを握ってコースイン。本来のレーシングラップタイムではないものの、完走を目指しチェッカーを目指した。すっかり暗くなった19時13分、#1GT-Rが148周でクラス2位のチェッカー。#230Zは87周でチェッカーを受けスタンドから大きな拍手を受けるが、残念ながら周回数不足で順位の認定は得られなかった。

なおクラス優勝は#6ランサー、総合優勝はGT500の#18NSXだった。
粕谷俊二選手(#1GT-R)
「終盤はブレーキがない状態だったのでペースを上げられませんでした。去年もこのレースで2位、今年も2位と相性がいいみたいですね。いい思い出を作れたと思います。コースサイドからカメラのフラッシュを浴びましたが、GT-Rファンの期待に応えられて良かったです」

星野一樹選手(#230Z)
「去年は乗る前にリタイアしてしまったので今年は一歩前進。トラブルは早く解明してシリーズに影響が出ないようにしたいです。結果は悔しいけどしょうがないです。来年も1000kmに出場できるチャンスがあればぜひ出場して勝ちたいです。次はGTですし、気持ちを切り換えて頑張ります」