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The Oppositions
スカイラインGT-Rのライバル達は?
 今年のエントリーリストを見ると、エントリー数は230台。昨年まで2年連続で参戦したオペルとアウディのDTM(ドイツ・ツーリング・マスターズ)車両は参戦しないが、昨年1-2フィニッシュを遂げたBMW M3 GTRが優勝候補の筆頭だ。

 M3 GTRは、M3のボディにDTMと同じ規格のV8 4リッターのエンジンを搭載した耐久レース用スペシャルモデル。 2000年ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)でチャンピオンを獲得した車両だ。メンテナンスを担当するのはBMWワークスであるシュニッツァー。 #1M3 GTRは、昨年のウィナーであるダーク・ミュラー、ヨルグ・ミュラー、ハンス-ヨアヒム・シュトゥックのトリオ、#2M3 GTRは昨年2位のペドロ・ラミー、ボリス・セッド、ダンカン・フィスマンにアンディ・プリオールが加わった。
 ライバルとなるのはザクスピードがエントリーするダッジ・ヴァイパーGTS-R。2回の優勝経験を持つザクスピードのヴァイパーだが、は燃料タンクも大型化、さらに軽量化が認められ、特にペーター・ザコウスキー、ロバート・レヒナー、サッシャ・バートの#77ヴァイパーは要注意。
 そんな強敵に混じって今年もポールポジションを狙うのが、ユルゲン・アルツェン、ウベ・アルツェンの兄弟による#6ポルシェ996ターボ。外観はポルシェ911ながら、中身はほとんどCカーのようなスペシャルマシンは、今年はシルバー/ブラックのカラーリングをまとい、さらに凄みを増している。
 一昨年まで3年間行われていたV8 STARというシリーズの参戦車両は、今年も2台が参戦する。もともとが完全なレーシングカーだけに、トップ争いに顔を出して来そうだ。
 その他、侮れないのはポルシェ911勢で、レース終盤には必ず数台がトップ10にいる。中でも地元マンタイレーシングの#46ポルシェ911 GT3-MRは昨年総合3位の成績を残しており強力。
優勝争いを繰り広げそうなクラスは、BMW M3 GTRやV8 STARといったスペシャルマシンが区分されるE1クラス(4台)、GT-Rやヴァイパー、アルツェンポルシェなどの区分されるA8(10台)、ポルシェやチューンドBMW M3などが区分されるA7(24台)となるだろう。
 #44ファルケン☆GT-Rは、昨年A8クラスで優勝し総合5位という成績を残した。しかし昨年はウェットの時間が長く、スリックタイヤを履けない状態でドライバーのストレスもたまったに違いない。今年は例年より1か月も早い開催なので、気温や路面温度の低さが気になるところではあるが、これまでの経験を元に、昨年以上のパフォーマンスを残すことに期待したい。
 なお日本関係のチームでは、A6クラスにスバル・インプレッサ、A3クラスにトヨタ・アルテッツァ、A2クラスにスズキ・イグニス(スウィフト)、A1クラスにトヨタ・ヤリス(ヴィッツ)、ディーゼルやハイブリッドカーのS1クラスにレクサスRX400h(ハリアー・ハイブリッド)が参戦する。
木下隆之選手のコメント
「3月に岡山国際サーキットでタイヤの事前テストを行ったんですが、エンジンのレスポンスも良くなっていましたしストレートスピードが向上していましたね。 タイヤについては実は去年は手探りの状態だったんです。 今年はケーシングやラバーを変更したんですが、悪くないですよ。 今年は開催時期が早いので雪やみぞれの想定もしています。 今年もいつものように最初のピットインで抜き打ち車検を受けてポジションダウンするでしょうし、そこからひたひた上がっていくというスタイルになるでしょうね。 目標はクラス2連勝と初の表彰台。BMWが2台いるから残った表彰台はひとつしかない。 だから厳しいのは厳しいんですが、長くやってるときっといいこともあると思います。 半分の12時間を終えたところで5〜6番手にはいたいです。今年取らないとチャンスはないという覚悟で臨みます。 5日のテストレース(HAUGG CUP)は、(田中)哲ちゃんがGT終わっての移動となるので間に合わないし、僕とアッシュのふたりでがんばります」