レースは、13:00にローリングをスタート。1周のフォーメーションラップののち、グリーンランプと同時に全車レーシングスピードに移り、長丁場のコンペティションが始まった。隊列は、ル・マン24時間レースで活躍したアウディR8を先頭に、GT500車両が続く。
ミハエル・クルムが好スタートを切ったNISMO GT−Rは、第1コーナーで先行車の#16NSXを抑え、4番手にポジションアップした。ストレートスピードでもNSXに遜色なくコーナーでは隙がないGT−Rを追って、#16NSXはオーバーテイクの機会をうかがうが、クルムは時にテールスライドさせながらグッドファイトを見せ、序盤の見せ場を作った。このバトルは15周にわたって繰り広げられ、この間グランドスタンドで振られる日産応援旗のウェーブはひときわ大きくなった。
29周目に最初のルーティンピットに入り、田中哲也に交代。田中哲也は、5番手のポジションを守り、ひたすらマイレージ蓄積に努めた。しかし、レーススタートから3時間経過した15:00過ぎ、トップを悠々リードしていた#61アウディがマシントラブルでリタイヤ。この時点でレースはGT500車両のものとなっていた。田中は、スケジュールされた周回をキッチリと守り、4番手で影山正美にステアリングを渡した。
レース中盤にさしかかった影山のスティントは、コースのあちこちでバックマーカーに引っかかり、ラップタイムを変動させながらのものとなったが、トラブルやアクシデントを避け、力強く周回を重ねた。この間、一時先行を許した#16NSXがスピンし、イレギュラーピットに入った。
これによって、影山のNISMO GT−Rは、3位に。終盤に向けたスティントスケジュール調整のため、ピットから追加周回が指示され、影山は32周を走行してピットインした。マシンを降りた影山は、「シャシーのバランスはだいぶ良くなった。このウィークエンドで最も長い時間乗ったけど、一番乗りやすかった。タイムも悪くないし、タイヤの残りグリップを調整しながら走れた」
2順目のスティントを走り出したミハエル・クルムは、同様に安定したラップタイムを刻みながら、ゴールに向けて走り出した。先行車に約1分のリードを許すものの、何かがあればポジションアップを狙える位置にいた。ところが、109周目に突然フロント左側から白煙を噴出し、緊急ピットイン。ガレージに入れてチェックしたのち、トラブルはターボチャージャ本体と判明。残りレース時間での修復は不可能と判断され、小河原監督はリタイヤ届けにサインすることとなった。
18時10分に日没のためにライトオンとなり、サーキットは独特のムードに包まれる。やがてすっかり暗くなった19時20分、#6スープラがトップでチェッカーを受け、スープラが2連勝を飾った。
スーパー耐久クラスでは、#19JMCダンロップGT-R・ED、#34ススキレーシングアドバンGTR、#1M’s DUCKHAMS GTRと予選の順位通りに走行。しかし序盤の7周で#34GT-Rが冷却系のトラブルでスロー走行となると、8周目には#1GT-Rがスローダウンしてコース脇にストップ、リタイア第1号となる。そして#34GT-Rもエンジントラブルで10周でリタイア。続いて今度はクラストップの#19GT-Rが右フロントのタイヤバーストと大荒れ。その#19GT-Rも91周で燃料系のトラブルでリタイアとなった。
レース終了後、鈴鹿サーキット上空に大輪の花火が打ち上げられた。今年の鈴鹿の夏は終わった。