トヨタ・ディーラー400オフロード・レースでニッサン圧勝

Toyota Dealer 400 - Aug. 31, 2002

土曜にサン・シティで行われたバンクフィン・オフロード・チャンピオンシップ第5戦トヨタ・ディーラー400で、ニッサンはワークスとプライベーターが力を合わせ、全8戦中4度目の総合優勝をはじめ、量産車部門の各賞を総ナメにした。

クラスTでは、目下王位に君臨するジニエル・ドビリエール/フランソワ・ジョルダーン組のクラスTニッサン・ハードボディV6が、チームメートのハンス・グロブラー/リチャード・リーク組を抑え、総合トップでゴール(今年3度目)。標準車に近いクラスDではダンカン・ボス/マイク・グリフィス組の6気筒ハードボディが総合4位に入った。

ニッサンはクラスEでもプライベーターのジュリー・ドゥプレシス/アンドレ・ドゥプレシスの兄弟コンビによる標準車に近い4気筒ハードボディが活躍し、初の総合敢闘賞を獲得した。

ドビリエール/ジョルダーン組は、金曜に行われたプロローグの50kmを超えるコースで驚異的な予選タイムを記録し、早々に優勝への意気込みを知らしめた。2番手にはチームメートのグロブラー/リーク組がつけた。

雨はやがて雷雨へと変わり、夜通し止むことはなかったが、一夜明けた土曜には空も晴れ渡り、参加者、サポート・チームそして観客達を歓迎するかのように太陽が燦燦と耀いた。しかし、コースはすっかりぬかるみ、予選トップのドビリエール/ジョルダーン組は決勝の345kmを泥掻き役で臨むことになった。

今回のコースは115kmの行程を3ラップするものである。第1ラップの終盤に差し掛かったところで、先頭を走っていたドビリエール/ジョルダーン組はパンクのため足止めを喰い、6分弱をロス。V6ニッサン・ハードボディの姉妹車を駆るグロブラー/リーク組に先を越されてしまった。

総合3位にはクラスD単独首位を快走する量産車部門トップのダンカン・ボス/マイク・グリフィス組が姿を現し、ニッサン・サポーターは大いに沸いた。

「余裕でクラストップを走っているのはわかっていたが、総合3位と知ったときには驚いた」とコ・ドライバーのグリフィス。今季初総合優勝を狙っていたニール・ウールリッジ/ケニー・スクジョルダマー組のクラスTフォード・レンジャーのコース・ミスにより、彼らは前に出ることができたのだ。(ボスの賢い選択でV8フォードと争うよりも、自分のクラスのトップの座を維持することに集中したため、最終的には総合4位となった。)

トヨタ勢の一番手は元チャンピオン、エイピー・レイニーク/ロビン・ホートン組のクラスTランド・クルーザー。彼らは第1ループで、5分と間をおかずに2回のパンクに見舞われ、リア・サスペンションに岩が刺さり、ブレーキチューブが破損したためトップ争いから外れてしまった。

ドビリエール/ジョルダーン組は第1ループの後でピットに入らない作戦をとり、トップに返り咲いた。アンチロールバー・リンクが破損しスローダウンしていたグロブラー/リーク組は、簡単なチェックのためピット・インしたが、修理をせずにラリーを続行することにした。ペースを落として走ることになっても2位をキープできる自信があったからだ。

ディフェンディング・チャンピオン、ドビリエール/ジョルダーン組は最終となる第3ループで手堅くペースを守り、トップの座を揺ぎ無いものとし、無意味なリスクを犯すことなく無事ゴールした。

「T字路を行き過ぎて、コースに戻ろうと四苦八苦したときは、危うく何もかも失ってしまうところだった。もうだめかと思い始めたところで、特殊車輌部門のクラスB車が来て、牽引を申し出てくれた」と、ゴールして一息つけたドビリエールは語った。災難のお陰で彼らは4分強ものタイムロスをしたが、結果には全く影響無く、グロブラー/リーク組が2位でゴールした。

ボス/グリフィス組はレイニーク/ホートン組のクラスTランド・クルーザーを抑え、クラスTフォードに次いでゴールし、総合4位に入賞。総合とクラスでの勝ち星を増やした。

元クラスDチャンピオン、ハイン・グロブラー/ゲルハルト・プリンスルー組は、リヤ・サイドシャフトの故障に泣き、ニッサン1・2フィニッシュはならなかった。

量産車部門の3つのクラス(クラスT、D、E)にワークス・エントリーをした唯一のマニュファクチャラー、ニッサンはドゥプレシス兄弟がBBオート・ハードボディで出場したクラスEでの初の快挙に沸いた。夫婦コンビで出場のニール・ファン・デル・バルト/ゼルダ・ファン・デル・バルト組は、最終ループでトップを走っていたものの、ディーゼル・タンクを固定するストラップが外れ、あと一歩というところで初クラス優勝を逃した。

「私達はチームの活躍、そして貴重なマニュファクチャラーズ・ポイントをもたらしてくれたニッサン・プライベーターの健闘に大満足です」と、ニッサン・モータースポーツ・マネージャー、グリン・ホールはコメントした。「ニュー・パーツのどれも性能が証明され、現在進められている開発の糧となりました。」

ドビリエール/ジョルダーン組はクラスT首位のウールリッジ/スクジョルダマー組に6ポイント差と詰め寄っており、それに6ポイント差でチームメートのグロブラー/リーク組が続いている。量産車部門ポイントランキングでは、総合トップのボス/グリフィス組が総合2位のウールリッジ/スクジョルダマー組との差を31ポイントに広げた。

ニッサンはマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップにおいて430ポイントでトップに立ち、トヨタ(344)との差は86。3位のフォードは183ポイント。



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