7月20日15時にスタートした「第9回十勝24時間レース」は、夜間に発生した霧のため、夜中の2時前から朝の7時まで中断とされ、初の2パートレースとなった。総合優勝は、GTクラスでエントリーした#911ポルシェでポールtoフィニッシュ。スーパー耐久シリーズのエントリーマシンでは、木下みつひろ/青木孝行/砂子塾長の#3エンドレスアドバンGT-Rがノントラブルで走り優勝(総合2位)し、シリーズ4連勝を果たしポイントで2位との差を広げ、後半戦を有利に戦えることになった。もう1台のGT-R、竹内浩典/田中哲也/影山正美の#1ファルケン☆GT-Rは、序盤にミッショントラブルのために1時間以上をロス。完走してクラス2位に食い込んだ。
3万8700人のファンを集めた決勝レース。15時にスタートが切られてしばらくは、#911ポルシェ、#3GT-R(木下)、#1GT-R(田中)の3台が先頭争いを繰り広げる。やがて#1GT-Rが2番手に上がり、16時15分過ぎに#3GT-Rが最初のルーティンピットストップとなり、ドライバーは青木へ。その翌周、#1GT-Rがピットインして竹内へ交代。16時半過ぎに#911ポルシェもピットインして、このタイミングで#1GT-Rが総合トップに躍り出た。やがて#3GT-Rも#911ポルシェを捕らえ2番手に浮上。2台のGT-Rは5秒前後の間隔を置き、2分14〜15秒台の安定したラップスピードで周回を重ねていった。
しかしレースがスタートしてまだ2時間しか過ぎていない17時過ぎの54周目、突然#1GT-Rがテラスコーナーでスローダウン。竹内はパドックベンド先でマシンをストップ。「クラッチが切れなくなってガラガラと音が出た」と竹内はお手上げ状態。これで#3GT-Rが難なくトップに立つことになり、走行ペースを3〜4秒も落としてリスクを避ける作戦に切り替えた。これにより再び#911ポルシェがトップに返り咲いた。
レスキュー車両によってリペアエリアまで移送された#1GT-Rは、1時間ほどの突貫作業でトランスミッションを交換し、コースイン。この時点で、トップからは30周遅れの28台中27位と優勝は絶望的な状況になった。
いっぽう#3GT-Rは2回目のピット作業で砂子に代わってからは、1ドライバーが2スティントを連続して走行する態勢に移り、予定どおりに周回を重ねる。日が落ちてあたりが闇に包まれた20時あたりから一帯に霧が出始め、やがて霧は濃くなっていった。深夜の0時47分、安全走行を確保するためにセーフティカーが導入されたが、霧が回復しそうな気配は一向になく、気象台の発表でも夜が明けるまでは濃霧のままということもあり、レースは1時52分で打ち切り。霧が晴れた麻から第2パートとしてレースを再開することになった。
第1パートのは、258周を走ったトップが#911ポルシェ、1周遅れの2位(S耐クラス1トップ)が#3GT-R。また#1GT-Rは26周遅れの総合18位(S耐クラス1の2位)だった。
周囲が明るくなった朝6時。当初の再スタート時間になっても霧による視界は回復せず、7時に第2パートが8時間レースとしてスタート。このときは、第1パート終了時にドライブしていた選手がスタートドライバーを務めるという規定が採用された。また第2パート終了時点での総合周回数によって順位を決定。同一周回数の場合には、第2パートのゴール順位によることも発表された。
第2パートでは、#1GT-Rが瞬く間にトップを奪い、2分15秒前後のペースで走行を続け、堂々のトップでゴール。2位に#911ポルシェ、3位が#3GT-Rだった。第1/第2パートの合計の結果、総合優勝は#911ポルシェ。総合2位の#3GT-RはS耐クラス1で4連勝を遂げ、メンテナンススタッフと青木は昨年のダイシンアドバンGT-Rに続き大会2連勝。これでシリーズポイントでも今回クラス2位の#1GT-Rに7点の差を広げ14点差とし、後半戦の戦いが非常に楽になった。