スーパー耐久シリーズ第3戦は初夏の鈴鹿で開催。前日までの雨も予選日朝には上がり、コースもドライ状態で13時10分から40分間の公式予選が行われた。鈴鹿はこのオフにもコース改修が行われ、ダンロップコーナー入り口がタイトになり、その分ランオフエリアが広げられた。このためコース長も若干短くなり5.821kmに。
今回、ニッサン勢は宮口幸夫/鈴木ひろし組の#85ERG・RACING・TEAMのシルビアが新規参戦。参加車両はこれで、クラス1(換算排気量3501cc〜)にスカイラインGT-Rが3台、クラス3(換算排気量2001〜3500cc、2WD)にシルビアが2台の計5台となった。
クラス1で最初にアタックをかけたのは#19JMCダンロップGT-R・ED(輿水敏明/吉富章)の吉富。2分28秒台のタイムで計時ボードのトップにカーナンバーを点灯させると、次の周回には2分27秒621とタイムアップした。次にアタックに入ったのは、#1ファルケン☆GT-R(竹内浩典/田中哲也)の田中。朝に行われたフリー走行で自ら出したトップタイムを更新する2分16秒630で難なくトップに立った。最後に#3エンドレスアドバンGT-R(木下みつひろ/青木孝行)の青木がコースイン。青木は、コース改修されたダンロップコーナーでコースアウト。ところがこの後アタックに入り、驚異的な2分15秒045となるコースレコードをマークしてポールポジションを獲得した。
「ドライ状態で初めて新しい部分を走ったらコースアウトしちゃいました。あれがなければ2分14秒台に入っていたでしょう」と青木。
いっぽうクラス3では、#48アイエーテック‐TARGET(中村啓/小原健一)が6位、#85ERG・RACING・TEAMが7位となった。
決勝は時おり薄日がのぞく曇り空。1万5000人の熱心なファンが見守る中、82周の決勝レースが14時にスタートした。序盤は#3GT-Rの青木と#1GT-Rの田中が抜きつ抜かれつのスプリントさながらのハイスピードバトルを演じてスタンドを沸かせる。スタート直後のデグナーカーブで田中が前に出ればヘアピンで青木が抜き返す。さらに2周目には田中が再びトップを奪えば、6周目には青木が奪い返すという具合にだ。ここから#3GT-Rの青木が徐々に田中との差を開いていって独走状態に。また#19GT-Rの吉富は2台に離されながらも3位キープの走行を続けた。
今回は480kmレースということでGT-R勢は2回のピット作業が予定されていたが、最初に動いたのは#1GT-Rだった。トップと約20秒の差がついた24周目にピットへ入り竹内へ。また#19GT-Rも25周目にピットインして輿水へ。翌26周目には#3GT-Rがピットヘ入り木下へ。全車ノーミスで順位に変動はなし。木下は徐々に竹内との差を広げていき、折り返し点を過ぎた48周目には両者の差は30秒に。前回の仙台で#1GT-Rは2度目のピットでタイヤ無交換という作戦を取ったが、今回は無交換を実行したとしても#3GT-Rの前に出るのは苦しい。約35秒の差がついた52周目、#1GT-Rが2度目のピットインで再び田中に。#3GT-Rは54周でピットヘ入り青木へ。
この周、田中は2分17秒178のファステストラップを叩き出しトップを追うが、26秒まで縮めるのがやっと。最後は青木が後ろとの距離を計算しながら順調に周回を重ね、トップでチェッカーを受け2連勝。ポイントも#1GT-Rを逆転してポイントリーダーに立った。また#19GT-Rは終盤ブレーキがフェードしてペースを落としたが、総合4位クラス3位でゴールした。
またクラス3では、#48シルビアと#85シルビアが淡々と走行を重ね、#48シルビアはクラス5位、デビュー戦となった#85シルビアはクラス7位でチェッカーを受け、2台とも完走を果たした。