JGTC 2002シーズンプレビュー
今年も「気がつけばNISMO」で GT三冠王を目指す
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2001JGTC(全日本GT選手権)チームチャンピオンのNISMOは、組織を大きく変更した新体制で、今年も2台のスカイラインGT-Rで継続参戦する。そして、ドライバー部門、チーム部門、そして今年から新設されたエンジンチューン部門すべてを制覇して“GT三冠王”獲得を目指す。
NISMOの主な体制は以下のとおり。
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●チーム名 |
NISMO
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●監督 |
小河原宏一 Kouichi Ogawara
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●車両名 |
#22 ザナヴィ ニスモGT-R
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#23 カストロール ピットワークGT-R
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●ドライバー |
本山 哲 Satoshi Motoyama
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影山正美 Masami Kageyama
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ミハエル クルム Michael Krumm
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エリック コマス Erik Comas
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●チーフエンジニア |
島田 次郎
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リカルド・ディヴィラ
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●チーフメカニック |
西田 貴陽
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中島 健
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●車両 |
R34 スカイラインGT-R
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●エンジンチューナー |
(株)オーテックジャパン
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●タイヤ |
ブリヂストン
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今年のJGTCはマレーシアラウンドが正式なシリーズ戦に組み込まれて全8戦に。また昨年同様、第2戦富士は500kmのロングディスタンスとなる予定。
JGTCは00年の道上龍、01年の竹内浩典/立川祐路と、ここ2年優勝のないチームからドライバーチャンピオンが出ている。つまり毎戦取りこぼしのないように10位以内に入りポイントを獲得することが重要。従来4位以下になるとウェイトハンデが20kg軽減されるようになっていたが、今年は4位ではウエイトは変わらず、5位以下で20kg軽減となる。また予選と決勝ベストラップのトップ3に1ポイントが加算されることになった。このことにより今年のシリーズはウエイトハンデとポイントがより複雑なシステムとなる。
今年NISMOのライバルチームは軒並みレベルアップしている。トヨタは01モデルをさらに空力的に煮詰めボディ剛性を高めた02モデルを5台投入し全8台の布陣となる。01チャンピオンの#1au、#6エッソが先陣となるだろうが、今年のテストではヨコハマタイヤユーザー(#25FK/マッシモ、#39デンソー)も好調。さらに巻き返しを図るミシュラン、スープラに復活したダンロップの動きも気になるところ。
ホンダは無限と童夢に02モデルのNSXを投入。他の3台は01モデルにアップデートキットを加えたものとなる。テストでも#16無限、#18TAKATAが速いが、#16無限はフォーミュラ・ニッポンでケガを負ったエースドライバーの道上龍が数戦欠場することになることから、このスキに他チームはひとつでも上のポジションを狙うことが肝心となる。
他、チェックしておきたいのはマクラーレン。昨年最終戦は他車両がウエイトハンデに悩む中、軽量マシンで優勝をかっさらった。今年は2台ともダンロップタイヤを装着するため、より多くのデータが得られるはず。ドライバー体制も強力になっているので要注意だ。
いっぽうGT-RはNISMOの2台と#12カルソニックの計3台。既に発表されたようにシーズン途中からVQエンジンを搭載するが、開幕からしばらくは01モデルのボディ剛性を高めサスペンションジオメトリーを変更したモデルでのレースとなる。他陣営は開発の進んだ02モデルが主力のため、序盤戦は一発のタイムでは苦戦することになりそうだ。しかしチャンスはある。GT-Rの信頼性には定評があり、チームの総合力でも勝っているので、決勝レースに強いからだ。「気が付けばNISMO」の言葉どおり、決勝結果を見れば上位にいるようなレース展開を、経験豊かでクレバーなドライバーたちが導いてくれるはずだ。
そして開幕前の富士で行われた合同テストで好タイムをマークしたVQエンジン搭載車両がデビューしてからは、真っ向勝負に期待してほしい。今年はレッド/シルバーのニューカラーをまとったGT-Rに注目だ!
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