4月13〜14日、10年目のシーズンを迎えた全日本GT選手権(JGTC)が、昨年同様、岡山のTIサーキット英田で開幕した。今回の開幕戦に参戦した車両はGT500に18台、GT300に24台の計42台で、ニッサン車はGT500にGT-Rが3台(星野一義/田中哲也の#12カルソニックスカイライン、本山哲/ミハエル・クルムの#22ザナヴィ ニスモ GT-R、影山正美/エリック・コマスの#23カストロールピットワークGT-R)、GT300にシルビア2台(山野哲也/柳田真孝の#3ユニシアジェックスシルビア、大八木信行/青木孝行の#81ダイシンADVANシルビア)の計5台。午前中は雨という天気予報だったが、結局雨は降らずじまい。このため大きな混乱はなかった。
朝10時から始まった予選1回目は、気温が低くソフトタイヤ勢に有利な展開に。そのソフトタイヤで一発のアタックを決めたのが#22GT-Rの本山。暫定ながら予選5番手のポジションを得た本山は「完璧だった」とアタックを振り返った。いっぽう、チームメイトの#23GT-Rは、決勝当日の気温が上がることに賭けてハードタイヤをチョイス。コマスがアタックをかけたが12番手にとどまった。また#12GT-Rはミディアムタイヤを選んで田中がアタックしたが、ベストセッティングが出ず15番手となった。
GT300では、#3シルビアの山野が2番手と健闘、#81シルビアの青木はアタックに入った周でコースアウトしてしまい、結局アタックできずじまいとなった。
午後3時から始まった予選2回目は、気温は上がったものの路面状況が悪く、タイムアップする車両は少なかった。GT500では上位陣では大きな動きはなく、#22GT-Rは5番手、#23は12番手、#12GT-Rは15番手という予選順位になった。なお、ポールポジションは#64 NSXが1分25秒203のコースレコードで獲得した。
GT300では、ディフェンディングチャンピオンである#81シルビアが3番目のタイムを叩き出し、午前/午後の総合では#3シルビアは3番手にドロップ。ポールポジションはテストから絶好調だった#31MR-Sでこちらもコースレコードとなる1分32秒430だった。
14日は朝の霧も晴れ、気温はグングン上がった。82周の決勝レースは14日の午後2時に予定どおりスタート。スタートドライバーは#12GT-Rが星野、#22GT-Rがクルム、#23GT-Rがコマス、#3シルビアが山野、#81シルビアは青木。ピットは真ん中あたりで1回の予定だ。スタートは大きな混乱もなく、ほぼ予選どおりの順位で周回。トップの#64NSXが序盤から飛ばして他を引き離していく。#22GT-Rのクルムは、6台による6位グループの先頭を守りスリリングなバトルを演じたが、36周でピットインし、本山に交代する。この際、エアジャッキにトラブルが発生し約8秒のロスを喫してしまう。#12GT-Rは33周でピットインして田中に交代。コマスの周回を長めにした#23GT-Rは、総合3位までポジションを上げるが47周でピットインして影山に。
いっぽうGT300では#81シルビアの青木が11周目のヘアピンで#3シルビアの山野をかわしてクラス3位に。さらにトップの#31MR-Sと2番手の#24ポルシェがピットインするとクラストップに躍り出た。37周で#3シルビアが、45周で#81シルビアがピットイン。ドライバーはそれぞれ柳田、大八木に交代する。
ピットインが落ち着くと各車の順位は、#22GT-Rが10位、#23GT-Rが12位、#12GT-Rが15位。またGT300では#81シルビアが2位、#3シルビアが5位に。後半は路面も荒れ、周回遅れも絡んできたこともあり、#22GT-Rは11位、#23GT-Rは12位、そして#12GT-Rは14位でチェッカー。GT300では#81シルビアが3位、#3シルビアが4位でゴールした。