IRL第10戦 ファイアストーン・インディ200(ナシュビル)
B. ボートがポールスタートするも惜しくもクラッシュ

July 21, 2002

シリーズも残り6レース、ここまで未だ勝利の無い日産インフィニティにとって、「今回こそ」という必勝体制を敷いてこのナシュビルに臨んできた。予選では前回からインフィニティエンジンにスイッチしたビリー・ボート(カーブ/アガジャニアン/ボートインディ)が、インフィニティ勢としては今季4度目となるポールポジションを獲得した。トーマス・シェクター(レッドブル・チーバーレーシング)も2列目となる4番グリッドを獲得しインフィニティのパワーをライバル勢に見せつける予選となった。

今回の舞台は昨年にオープンしたばかりのナシュビル・スーパースピードウェイ。このコースの最大の特徴はコース全長でもコーナーバンク角でもなく、舗装がコンクリートとなっていること。コンクリート舗装はアスファルトに比べて路面の摩擦係数が格段に低く、滑りやすい。タイヤがこびりついているグルーブとグルーブ外のμの差も非常に大きく、パッシングには細心の注意が必要となる。コース全長1.3マイルとそう長いコースではないものの、平均速度は時速200マイルを越える速さのために、ドライバーにとっても厄介なコースになっている。そして今回は今季最後のナイトレースで、日没後の気温と路面温度の変化もマシンのハンドリングになおさら大きな変化を与えることになる。

その難しさを証明するかのように、今回は200周のレース中に8回のコーションがトータル57周にもわたって出されるなど、大荒れのレースとなった。そして、そのたびたび出されたコーションを如何にタイミングよく使って、タイヤ交換と燃料補給のルーティンピットストップを済ませるかが重要となった。

レース序盤はそのコーションをたくみに利用したエディ・チーバー(No.51レッドブル・チーバーレーシング)がトップに立ち、トータル22周をリードする。絶妙なタイミングで2度目のピットストップを行うものの、日が暮れて気温が下がるとハンドリングが極度に悪化してしまい、その後は滑るマシンを押さえつけるのが精一杯であった。 そのE. チ−バーとは対照的に後半に調子を上げてきたのが、チームメイトのT. シェクターとポールスタートだったB. ボート。112周目に2度目のピットストップを終えると徐々にポジションアップし、シェクターが2位、ボートが3位につけて、トップのS. ホーニッシュJrとの差を徐々に詰めてゆく。

残りも30周を切った171周目に、周回遅れのE. チ−バーをアウトサイドからかわそうとしたT. シェクターがターン2でバランスを崩してスピン。行く手を阻まれたB. ボートもこれに巻き込まれてしまい、不運にも上位を走る2台のインフィニティがレースを終えることになってしまった。

結局レースはE. チ−バーと共に同じ絶妙のタイミングで2回のピットストップをこなしたA. バロンがIRL初優勝。服部茂章が抜けたブラッドリーモータースポーツに第9戦から加入したブラジル人のラウル・ボーゼルが、予選15番手から10台抜きを演じて日産インフィニティでは最上位となる5位フィニッシュを果たした。

次回シリーズ第11戦は、超高速オーバルコースのミシガンインターナショナルスピードウェイで行われる。



Race Result
POS. Driver Chassis/Engine/Tyer Laps
1 Barron, Alex D/C/F 200
2 de Ferran, Gil D/C/F 200
3 Hornish Jr, Sam D/C/F 200
4 Hearn, Richie D/C/F 200
5 Boesel, Raul D/I/F 200
6 Cheever Jr, Eddie D/I/F 200
7 Giaffone, Felipe G/C/F 200
8 Sharp, Scott D/C/F 199
9 Castroneves, Helio D/C/F 199
13 Scheckter, Tomas D/I/F 170
14 Boat, Billy D/I/F 170
16 Redon, Laurent D/I/F 133
21 Buhl, Robbie D/I/F 23 Engine
22 Fisher, Sarah G/I/F 19 Engine

NOTE : O=Oldsmobile I=Infiniti D=Daralla G=G-force F=Firestone

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