IRL第9戦 アメリスター・カジノ・インディ 200(カンザス)
シェクター、またしても目前で初優勝を逃す

July 7, 2002

カンザススピードウェイは昨年できたばかりのトラックで、1周1.5マイル、コーナーバンク10度のトライオーバルで、テキサスほどハイスピードではないがワイドグルーブでスムースなトラックである。昨年はエディ・チーバーJr.が優勝を飾った。今回インフィニティは2台増えて7台がエントリー。ビリー・ボートがシボレーからスイッチし、ブラッドリーモータースポーツからはブラジル人のラウル・ボーセルがエントリーした。

予選では、トーマス・シェクターが今季2度目のポールポジションを獲得。3番手にはチーバー、4番手にはローラン・ルドンが入った。また、決勝日午前中に行われたフリー走行では、トップ5を全てインフィニティ勢が占めるなど、好調さが際立った。

決勝レースのラスト10周時点では、トップを走るトーマス・シェクター(レッドブル・チーバーレーシング)がそれまで101周もレースをリードし、時速220マイルを超える最速ラップをたたき出して、独走態勢に入っていた。このすばらしい走りに、日産インフィニティスタッフの誰もが「今度こそ!」と思い始めていた矢先の191周目、ターン2でいきなりマシンがバランスを崩してスピン。コンクリートウォールにクラッシュして、マシンは大破し、シェクターの初優勝はまたしてもお預けとなってしまった。幸いにもシェクターにはけがは無く、自力でマシンから降りてきた。原因はリヤタイヤの急減圧。それまでは全く前兆は無く突然の出来事だった。今週末のシェクターは完璧な週末をこれまで過ごし、予選では今季2度目のポールポジションを獲得。レース中もピットストップで何度かポジションを入れ替えるものの、コースに復帰するとその驚異的なペースの走りですぐにリーダーの座を奪い返すという非常にパワフルな走りを見せていた。それだけに今回のこの結果は非常に悔やまれる。
これでシェクターがリードしながらも勝利を逃したレースはカリフォルニア、インディ500、テキサスに続いて4レース目。しかし、シーズンはまだ6レースも残っており、ルーキーのトーマス・シェクターのこれからの活躍に期待したい。

今回の日産インフィニティで最上位フィニッシュとなったのは、今回から日産インフィニティエンジンにスイッチし9位となったビリー・ボート(カーブ/アガジャニアン/ボートインディレーシング)。
いずれのドライバーにとっても、今回はかなり苦しいレースとなってしまった。今日は路面温度が50度以上にもなった為にタイヤへの負担が強くなり、ハンドリングが大きく変化してしまうと言うトラブルに見舞われていたようだ。4番手スタートと、良い位置につけていたローラン・ルドン(コンクェストレーシング)は、ギアルトラブルの為に途中でレースを終了している。

次回はコンクリート舗装の特殊なオーバルトラック、ナッシュビルスーパースピードウェイを舞台にナイトレースでのシリーズ第10戦が行われる。(7月20日)



Race Result
POS. Driver Chassis/Engine/Tyer Laps
1 Dare, Airton D/C/F 200
2 Hornish Jr, Sam D/C/F 200
3 Castroneves, Helio D/C/F 200
4 Giaffone, Felipe G/C/F 200
5 de Ferran, Gil D/C/F 200
6 Sharp, Scott D/C/F 200
7 Lazier, Buddy D/C/F 200
8 Barron, Alex D/C/F 199
9 Boat, Billy D/I/F 199
11 Boesel, Raul D/I/F 198
14 Fisher, Sarah G/I/F 198
15 Scheckter, Tomas D/I/F 190
16 Cheever Jr, Eddie D/I/F 190
21 Buhl, Robbie G/I/F 118 Engine
22 Redon, Laurent D/I/F 110 Electrical

NOTE : O=Oldsmobile I=Infiniti D=Daralla G=G-force F=Firestone

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