IRL第4戦 ファイヤーストーン・インディ 225
サラ・フィッシャーのインフィニティ、ナザレスで4位(ペンシルバニア)

 

April 21, 2002

ペンシルバニア州ナザレス(4月21日)。 ペンシルバニア州ナザレスにあるナザレス・スピードウェイで行われたファイヤーストーン・インディ225は、インフィニティ・エンジン搭載車のドライバー達にとって、それぞれ自己最高の一つに入るレースとなった。

今回の第4戦は、225周のレースのうちコーションラップがなんと116周。平均速度も93.7マイルと、IRL史上最も荒れたレースとなった。気温10度とかなり肌寒い中、厚い雲の下でスタートした今回のレース、いつ雨が降ってもおかしくない状態で、雨によるイエローやレース中断をも考慮に入れてピット戦略をたてなければならない難しいレースになることが予想された。

結果的にレースのポイントとなったのはゴールまで残り50周の所で事故のために出されたコーションだった。服部茂章やエディ・チーバーJrはレース終盤の勝負所に備えて燃料補給のためにピットイン。しかし、何台かはコース上にとどまり燃費走行の賭に出たのだった。事故処理も終わり、レースも再スタートしようと言うところでどす黒い雲から雪交じりの雨が落ち始めた。すぐに雨はやむもののコースが乾いてレースが再開されたときにはゴールまで残り20周を切っていた。

ロビー・ビュールに代わって出場したサラ・フィッシャーが4位でゴールしたのをはじめ、エディ・チーバーJr.7位、服部茂章10位と3台のインフィニティ・エンジン搭載車がベスト10入りを果たした。ローラン・ルドンは15位そしてトーマス・シェクター21位であった。

フィッシャーは療養中のビュールに代わり、チーム・ピュレックス/アベンティス/ドレイヤー&ラインボルド・インフィニティ・Gフォースのドライバーを務めた。優勝したスコット・シャープ、2位のフェリペ・ジアフォン、3位のジル・ドフェランに続き、フィッシャーは4位に入った。

「ロビーがこれまでがんばってくれたお陰で、かなりのアドバンテージをもって出場することができました。」と、フィッシャー。「こんなにすばらしいドライビング・コーチと組んだことはありません。彼は自分がドライブしているかのように状況を把握することができるんです。彼の目を見ればわかると思います」。ビュールの復帰はインディアナポリス500になる様子。この86回を数える伝統のレースは、5月5日からインディアナポリス・モーター・スピードウェイでプラクティスが行われる。予選は5月11日、決勝は5月26日に行われる予定。

121周目でクラッシュしたインフィニティ・ドライバー、トーマス・シェクターは、ペンシルバニア州アレンタウンのルハイ・バレー病院に検査入院した。インディ・レーシング・リーグ・メディカル・サービス・ディレクターのヘンリー・ボック医師によると、シェクターは肺挫傷と脳震盪の症状が見られるとのこと。

13番手からスタートした服部茂章(ブラッドリー・モータースポーツ)はレース序盤、ハンドリングに悪化によるペースダウンのために1周遅れの19位にまで交代する。しかし、その後に幾度と無く出されたコーションのタイミングをうまく利用してピットイン、シャシーアジャストをその度に行い徐々にベストなハンドリングを作り上げていった。その甲斐あってレース折り返しには6位にまでポジションを大幅にアップするものの、問題はその残り50周の所で出されたコーション。チームはここで最後のピットインを判断。10位でコースに復帰する。しかし、コーションは予想以上に長引いてしまい結局ピットインした服部茂章はそのまま10位でレースをフィニッシュした。

■サラ・フィッシャー:
「とてもすばらしい週末になりました。チームは素晴らしいし、マシンも最高。私の担当エンジニア、ジョン・マーティンは、私達が何をすべきかを非常に的確に捉えていました。多少のトラブルはありましたが、彼は私を自分の仕事だけに集中させました。インフィニティ・エンジンは一日中大活躍で、特に終盤で実力を発揮しました。これまで出会ったエンジンの中で最高のエンジンだと思います。この一週間、チームは本当に素晴らしく、レースには7ヶ月のブランクがあったものの、今日は私にとって最高の日になりました。」

■エディ・チーバーJr.:
「マシンの調子は最高に良かった。予選では自分のミスで大失敗して15位スタートになった。これで決勝のスタートで盛り上がるわけがない。レースが進むにつれバランスがとれてきたが、最後のピット・ストップで順位を落としてしまった。今シーズン、クルーはマシンの修理にてんてこ舞いで、本来のピット・ワークに集中することができないでいる。
でも、インフィニティ・エンジンはとても力強く、メカニックも万全の状態でマシンを出しているので、その点については満足だ。」

■服部茂章:
「今から思えば、3位には確実に入れていたので、10位という結果よりも悔しさの方が大きいかもしれない。しかし、もっと早くレースが再スタートしていれば上位陣は燃料が持たなかったはずなのだが、これもレースなので今回の結果は素直に受け入れなければならないだろう。序盤はターンでまともにアクセルが踏めない状態だったが、中盤以降はトップ勢と同じペースで走れたのでレース内容的には悪くないレースであった。2日後にはインディでのテストが始まるので、これからはそちらの方に集中して、インディ500でいいレースをしたいと思う。」

■ローラン・ルドン:
「あまりいいレースではなかった。再スタートで、シグナルがグリーンになったのにバロンがスタートしなかったので接触してしまった。バロンがブレーキを踏んだので僕も踏んだけど、間に合わず、リヤ・タイヤに当たってスピンした。それでピットに戻らざるを得なくなって4周遅れ、順位を取り返すのは不可能になった。マシンの調子は良かったけど、トラブルが起きたらしょうがないよね。お手上げさ。」


Race Result
POS. Driver Chassis/Engine
1 Scott Sharp Dallara/Chevy
2 Felipe Giaffone GForce/Chevy
3 Gil de Ferran Dallara/Chevy
4 Sarah Fisher GForce/Infiniti
5 Helio Castroneves Dallara/Chevy
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7 Eddie Cheever Jr. Dallara/Infiniti
10 Shigeaki Hattori Dallara/Infiniti
15 Laurent Redon Dallara/Infiniti
21 Tomas Scheckter Dallara/Infiniti

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