IRL第3戦 ヤマハ・インディ400
ルーキー・ルドンのインフィニティ、カリフォルニアで3位(カリフォルニア)

E.チーバー、インフィニティ初のポールポジション獲得
服部茂章がインフィニティ・デビュー

March 24, 2002

カリフォルニア州フォンタナ(3月24日)。 スリリングな展開となったヤマハ・インディ400で、ルーキーであるローラン・ルドンのインフィニティ・エンジン搭載マシンが堂々3位入賞を果たした。インディ・レーシング・リーグ初のカリフォルニア・スピードウェイでの開催となった今回のレースは、先頭がIRL史上最高の34回も入れ替わるという、稀に見る激しい攻防戦となった。

平均時速350キロの中での400マイル=640キロの長丁場はこれ以上に無い過酷な条件をエンジンに突きつけた。今回、インフィニティに初ポールポジションをもたらしたエディ・チ−バーは、200周のレース中33周をリード。レース終盤にはジャック・ラジアーと再びトップを争ったが、残り10周を切ったところでエンジンパワーが急激に無くなり、静かにピットレーンにマシンを戻すことになった。
チームメイトでルーキーのトーマス・シェクターも自己ベストとなる予選3番手グリッドを獲得して28周をラップリードし、さらに73周目では222.559mphの最速ラップも叩き出すという大奮闘を見せた。しかし、こちらも160周を超えたところで突然振動が発生して止む無くスローダウン。そこに後続車が追突してクラッシュし、リタイヤに終わっている。

不運に見舞われ続けるインフィニティだったが、そんな中、今回は27歳のフランス人ルーキー、ローランド・ルドンが活躍を見せた。95年にフランスF−3選手権でチャンピオンとなり、99年にはF−1のベネトンのテストドライバーをしていたと言う経歴を持っているが、今シーズンは新たな活動の場をアメリカに移して、このインディレーシングシリーズにデビューした。そして、インフィニティエンジンを得てわずか3レース目で3位フィニッシュと言う成績を残すことになった。
予選では自己ベストの5番グリッドを獲得。レース序盤はハンドリングが悪化して、一時は1周遅れの16番手にまで後退するものの、その後はハンドリングも回復し、ペースをアップ、ピットストップもタイミングよく行い周回遅れを取り戻していた。ラスト5周では一昨年のシリーズチャンピオンのバディ・ラジアーをパスし、後ろから迫る昨年のCARTチャンピオンのジル・ドフェランを見事に抑えてフィニッシュラインに滑り込んだ。

「まだまだ学ばなければならないことがたくさんあるのですが、チームとインフィニティのおかげでこの成績を残すことが出来ました。インフィニティはパワーもトルクもあり、かなりのアドバンテージがあると思います。まだまだチームのみんなには色々助けられていますが、もう十分に勝てるポテンシャルがある事を実感しました。」とフランス訛りの英語で笑顔でインタビューに応じてくれた。

今回から#12エプソン/ニスモ・インフィニティで初参戦を果たした服部茂章は、ぶっつけ本番の中12番手スタートと健闘したが、レース中盤の147周目に駆動系トラブルが発生し戦列を離れている。

■ベルナール・デュド(インフィニティ・モータースポーツ):
「ローラン・ルドンが3位入賞という好成績を収めて、大変うれしく思います。ルーキー・ドライバー、そしてまだ経験の浅いマイ・ジャック/コンクエスト・レーシングにとっては大きな快挙となったと思います。チーバーのエンジンをチェックしに戻る必要があります。インディ参戦には、やることが山積みです。」

■エディ・チーバーJr.:
「ジャック・ラジアーと接戦だった。抜きつ抜かれつでトップ争いをしていた。ホーニッシュはこの戦いに加わることすらできなかったんだよ。レッド・ブル・チーバー・レーシングのマシンは、今日、好調だったし、ジャックには勝てたんじゃないかと思う。2人で遊んでいた感じだよ。しかし、あと18マイルというところで僕のエンジンが壊れてしまった。カリフォルニアでは本当に勝ちたかったから残念だよ。インディのいい教訓になったね。ローラン・ルドンのインフィニティが3位でゴールして、上位3台の内に1台でもインフィニティが入ったのを見られて、うれしいよ。僕達にとって今日が今年初優勝になって、表彰台に立つのは僕だったかもしれなかったのに。まいった、まいった。」

■トーマス・シェクター:
「レースは信じられない結果になったよ。何もかもが完璧だった。全体的にいいレースだったと思う。競争相手はホーニッシュだったりラジアーだったりした。最後の20周を楽しみにしていたから残念だったよ。エディと僕には今回のレースでいい結果を残すチャンスがあった。エディは勝てると思ったんだけどな。メディカル・センターから彼に声援を送ったよ。」

■メモ・ギドリー(予選で5位だったロビー・ビュールがクールダウンラップでクラッシュし、決勝に代役出場)
「全てが整っている状況でも、マシンに飛び乗るのは大変だよ。ましてやいきなり、レースというのはもっと大変だった。しかし、6台抜いて最後にはチェッカーを受けることができた。チームにとっては完走することが大事だからね。マシンをより良く仕上げることに力を入れた。チームのみんなと力を合わせるのはすばらしい。各自がその役割を果たしているし、僕は才能のある人にたくさん会えたよ。」

■服部茂章:
「ハンドリングは全く問題なかったのだが、序盤に電気系のトラブルが発生し、ペースを上げることが出来なかった。異音もあったようで、そこで2周遅れになってしまったのは大きかった。その後はトラブルが出なくなり、1周遅れにまで回復してさらに上を目指そうとしたが、駆動系にトラブルが出てしまい途中でレースを終えることにした。先週のレースと比べて明らかにエンジンのアドバンテージは感じているので、この後に行う予定のテストをきっちりこなして、次回のナザレスそしてインディに備えたい。」


Race Result
POS. Driver Chassis/Engine
1 Sam Hornish Jr. Dallara/Chevy
2 Jaques Lazier Dallara/Chevy
3 Laurent Redon Dallara/Infiniti
4 Gil de Ferran Dallara/Chevy
5 Helio Castroneves Dallara/Chevy
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20 Eddie Cheever Jr. Dallara/Infiniti
21 Memo Gidley G Force/Infiniti
24 Tomas Scheckter Dallara/Infiniti
26 Shigeaki Hattori Dallara/Infiniti

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