車両は2002年発売予定のニュー・シェイプのハード・ボディをベースに、サハラ砂漠の猛威に対して対策を施して製作されたものである。その仕様は、パリ・ダカの規定に適合するよう変更を加えたものの、南アフリカで数々のレースを戦ったハード・ボディに使用されていたものとほぼ同じものである。
エンジンは、マキシマQXに採用されている3.0 V6をベースにしたVQ3.5リッター・エンジン。国際ラリーの規定により、出力を260馬力(195KW)に抑えるため、リストリクターを取り付けなければならない。そのため、トルク向上をテーマとして開発した。500リッター燃料タンクが取り付けられ、重量配分に配慮するため、エンジンはキャビン方向に1メートル後方に移動した。冷却システム、フロント・ディファレンシャル、ステアリング、サスペンション・パーツ、そして複雑な構造でありながらモノコックとして機能する70の部位からなるロール・ケージのフロント部分が、エンジン・ベイの補強にも活用されている。
競技用ハード・ボディはフルタイム4輪駆動。動力は、ストレート・カット・ギヤを採用し、南アフリカニッサンモータースポーツ製スペシャル・ケースに収められたシーケンシャル6速ギヤ・ボックスを経由してホイールに伝えられる。フロント・ディファレンシャルはアルミ製で、トップ・クラスのオフ・ロード・レースを走行するのに必要な超ロング・ホイール・トラベルに適合するよう設計されている。
ステアリング・ラックに関しても南アフリカニッサンモータースポーツが協力している。ハード・ボディのサスペンションの基本的なセッティングであるフロントの独立ダブル・ウィッシュボーンおよびリヤのライブ・アクスルはそのまま採用となったが、オフ・ロード・レース用に改造が施されている。
サスペンションのセッティングによりホイール・トラベルが、フロント250mm、リヤ300mm確保できるようになった。フロントのトレッドは100mm広げられ、安定性がアップした。
各コーナーにはツイン・ショック・アブソーバーが取り付けられ、バネ下重量軽減のため、16インチ合金ホイールが使用される。直径305mmの4ポットAPキャリパーと穴開きディスクの採用により、優れた制動力が得られる。「うちのハード・ボディのオフ・ロードでの強さは今年の南アフリカ・オフ・ロード選手権で実証されているし、今回南アフリカで作ったニッサン・ハードボディでダカールの表彰台に上れたら最高だね。」と、南アフリカニッサンモータースポーツのホイットフィールドは言っている。