ド・ビリエールとジョルダーンは、金曜日のタイム・トライアルの際のパンクが祟って２１位からのスタートとなり、スタート直後から順位を上げるべく奮闘しなければならなかった。タイム・トライアルで最速タイムをマークしたディフェンディング・チャンピオン、ニール・ウールリッジ、ケニー・スジョルダマー組のフォード・レンジャーＶ８から５分半遅れてのスタートだった。

「スタート位置があまりに後ろだったのでがっかりして、チャンスに恵まれることなんかないだろうと思っていた。」と、ド・ビリエール。「でも、スタートの前に（ニッサンのモータースポーツ・マネージャー）グリン（ホール）に、がんばってこいって言われたんだ。こういう場合は、勝利かすべてを失うか二つに一つだって。この言葉でやる気になったんだ。」

今年が初めてオフ・ロードのフル・シーズン参戦にもかかわらず（オフロードデビューは昨年のこのイベントだった）、ド・ビリエールは４度のパンクを克服し、早いペースで順位を上げた。

「フランソワと僕は、これ以上どんなトラブルが起こるんだろうと考えていた。あるステージでは４速ギヤを失くしたし、ゴールしたときなんてブレーキが効かなくなっていたけど、でも、グリンの言葉を思い出して、終わりまで頑張り続けたんだ。」

「オフ・ロード・レースに関わるようになって以来、こんな見事なパフォーマンスを目にしたのは初めてだね。」とオフ・ロード・レース・シーズン・カメラマンでありモータースポーツ・ジャーナリストでもあるスティーブ・ウィックスは言った。「遥か後方からのスタートだった上に１回で４〜５分はロスするようなパンクに４回も見舞われたというのに、それを乗り越えて優勝するとは、本当に素晴らしい。」

同じニッサン・ハード・ボディで出場したハンス・グロブラー、リチャード・リーク組は金曜日のタイム・トライアルで２番手のタイムをマークし、ウールリッジ、スジョルダマー組のフォードとの差はわずか１分でのスタートとなった。「４００ｋｍイベントの２つ目の２００ｋｍループの途中でリードを奪ったんだ。ジニエルもすぐ後ろまで来ていて、そこで２位になったんだ。」と、ニッサンの１・２を予見していたグロブラーは言った。

１・２フィニッシュを目前にしたニッサンは、ほとんどお祭り騒ぎとなった。しかし、ゴールまであとわずか３０ｋｍというところでグロブラー、リーク組がエンジン・トラブルに見舞われてしまった。チーム・メイトのド・ビリエール、ジョルダーン組がすぐそこまで来ていた。

「エンジン回転がイレギュラーになり始めたとき、ゴールの本当に近くまで来ていたんだ。ブローする前にエンジンを止めたよ。原因を突き止めるためには、ワークショップに行かなきゃいけない。」

ド・ビリエールはリードを奪い、今年３度目の総合優勝にむけて力を振り絞った。エイピー・レイニーク、ロビン・ホウトン組（カストロール・トヨタ・ランド・クルーザー）が数秒差で激しく追って来るため、最後の８ｋｍをブレーキ無しで走ることを余儀なくされた。

ニッサンはクラスＤでも、ディフェンディング・チャンピオンのハイン・グロブラー、ゲルハルト・プリンスルー組がバリッド・バリュー・ニッサン・ハードボディで総合５位という結果を残した。トラブルに見舞われた今シーズン最高の戦績となった。

ニッサン・プライベーターで出場のニールス、ゼルダ・ファン・デル・バルト組（ルノー・トラック・ニッサン・ハードボディ）もこの６シリンダー・４ｘ４クラスでクラス５位、総合９位でゴールし、見事なサポートを果たした。元ツーリング・カー・ドライバー、ダンカン・ボスとコ・ドライバー、マイク・グリフィス組は運がなく、彼らのバリッド・バリュー・ニッサン・ハードボディにトランスミッション・トラブルが発生し、イベント開始早々にリタイヤしている。

「ジニエルがシーズン３度目の総合優勝を治めてうれしいよ。」と、ニッサンのマーケティング部門副社長のマイク・ホイットフィールドはコメントし、さらに、次のシーズンでニッサンはクラスＴおよびＤでの優勝だけではなく、４シリンダー４ｘ４のクラスＥでの優勝も祝うことになる可能性があると付け加えた。

「ＭＳＡ国内オフ・ロード選手権の量産車全３クラスにニッサン車を出場させるために、このクラスにこれから発表されるモデルをエントリーすることも前向きに検討している。」

シーズン終了まで残すところあと１イベント。ド・ビリエール、ジョルダーン組はクラスＴ優勝と量産車選手権総合優勝の両方に手が届くところまで来ている。最終戦は１１月１６日、１７日、ゴーテングのカーニバル・シティ４００で行われる。