Overview : Open Telefonica Formula NISSAN
オープンテレフォニカ「フォーミュラ・ニッサン」は、現在、ヨーロッパではF1、国際F3000に次いで重要なレースシリーズとして知られている。シリーズは、シングルシーターの「コローニ・ニッサン」シャシーによるイコールコンディションレースとなっており、高いマシン性能からくるスピード、コーナリングワークの特徴がトップフォーミュラに近く、才能あふれる若手ドライバー達がF1、F3000へのステッピングストーンとして、このシリーズに参加している。このため、ドライバーの出身国は、スペイン、イタリア、フランス、アルゼンチン、南アフリカ、ベネズエラ、ポルトガルと多彩である。
このシリーズから巣立ったドライバーとしては、マルク・ジェネ(2000ミナルディF1)、フェルナンド・アロンソ(2001ミナルディF1)、アントニオ・ガルシア(2001レッドブルF3000)などがいる。
また、観客動員数が多いこともこのレースの格を上げている。スペイン国内レースとしてスタートしたこの「オープン・ニッサン」シリーズは、本年で4年目を迎えるが、多いときに75000名もの観客が詰めかけるほどの盛況ぶりを見せている。今年は、マニクール(フランス)、エストリル(ポルトガル)、モンツァ(イタリア)への遠征も含めて全8戦のシリーズとなっている。


Coloni NISSAN CN1/C
F1、F3000に次ぐヨーロッパで3番目に速いフォーミュラカーといわれている。250PSを発生するニッサンSR20エンジンをわずか455kgの軽量モノコックシャシーのリヤに搭載したこのマシンは、モンツァのサーキットではほぼ2倍のパワーをもつF3000と遜色ないタイムをたたき出し、周囲を驚かせた。平均速度は204km/hであった。2001年仕様からはサイドポッドの形状が変わり、エアロダイナミクスも向上している。


SPECIFICATIONS
Dimensions Wheelbase 2675mm / Front Track 1770mm / Rear Track 1750mm
Weight 455kg
Engine NISSAN SR20 2000cc 250bhp/8000rpm 237Nm/6750rpm
Suspension Front : Push Rod / Rear : Push Rod
Chassis Carbon-fiber Monocoque
Gear Box Hewland Sequential or H type(5 speeds and reverse)
Tyre & Wheel Speedline Front 10” Rear 12” / Michelin


第5戦までのサマリー
本年のシーズンは、往年のF1チャンピオン(1979フェラーリ)、ジョディー・シェクターの長男、トーマス・シェクター(南アフリカ、20才)の参戦で話題を呼んだ。シェクターは、2000年は英国F3選手権2位、国際F3000にも出場した。本年はF1ジャガーチームのテストドライバーとして採用されるなど、F1シートに最も近い男といわれていた。しかし、本年途中でジャガーチームを追放(素行によるもの)されてしまう。一方、オープン・テレフォニカシリーズでは、開幕戦のハラマでは第2レースで3位だったものの、第2戦エストリルでは2レースとも優勝。第3戦のアルバセテでは共に2位、第4戦バレンシアは、1位、2位、第5戦モンツァ3位、2位と常にポディウムに顔を出す活躍で、現在ポイントランキング1位を突っ走っている。

対抗馬のフランク・モンタニー(フランス、23才)は、98年フランスF3選手権2位、2000年国際F3000選手権15位のたたき上げ。開幕戦2レースをともに制し、その後も第3戦、第4戦、第5戦は第2レース優勝。勝ち星5と最もポディウムの真ん中を占めている男だ。しかし、やや安定性に欠け、コンスタントにポイントを稼いでいるシェクターに13ポイント(第5戦終了時)でリードされている。しかし、「速さ」は自他とも認めるものであり、6月のル・マン24時間レースでは、フランスの名門チームであるオレカから声がかかり、クライスラー・ワークスのLMPカーをドライブしている。結果は、リタイヤだったものの、本年のシリーズ順位によっては、ストーブリーグにモンタニーの名が登場することは確実だろう。

シリーズポイント3位は、シリーズ挑戦2年目のアンドレア・ベリッチ(イタリア、24才)が追いかけている。

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