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鈴鹿1000kmレース
コースレコード樹立のダイシンシルビア
2年ぶりの3勝目を飾る

 今年で30回目を迎える鈴鹿1000kmレースは、6つに区分されたクラスに、JGTCとスーパー耐久を中心にマーコスやTVRなど海外からのエントリーも加わって35台が参加。日産車では、10台が参加するGT300クラスに、JGTCポイントリーダーである#81ダイシンADVANシルビアがエントリー。レギュラーの大八木信行、青木孝行のコンビに、十勝24時間でチームに合流して総合優勝を果たした横島久を加えたトリオで、2年ぶりのクラス3勝目を目指す。8台の車両が参加するスーパー耐久クラスには、見崎清志/市村秀明組でクラス3連勝を狙う#5STP☆ススキレーシングGTR、新車を投入した輿水敏明/植田正幸/関実組の#19JMC・ADVAN・GT-R、粕谷俊二/川越賢二/影山正彦組の#98M'S ALTIA GTRと3台のR34GT-Rが参加した。

 蒸し暑い25日に行われた予選の結果、#81シルビアは、青木がコースレコードの2分11秒308をマークしてクラスポール(総合9位)を獲得。S耐クラスでも#5GT-Rがクラスポール(総合27位)、#98GT-Rが2位、#19GT-Rが4位につけた。総合では#38auセルモスープラ、#1ロックタイト無限×童夢NSX、#18TAKATA無限×童夢NSX、#30綜警McLaren GTR、#39iDC大塚家具サードスープラの順でGT500がトップ5を独占した。

 湿度の高い曇天のもと、3万2000人のファンが見守る中、13時に171周の決勝レースがスタート。#81シルビアは青木がスタートを担当。ライバルとなる#26シェルタイサンアドバンGT3Rや#71シグマテックMR-Sが3回のピット作業を予定しているのに対し、4回のピット作業となるため他よりも速いラップタイムが要求される。しかし、問題なく周回を重ね最初のスティントを終える直前、周回遅れの車両に行く手を阻まれスピンを喫したところへ後続に追突されスピン。右リヤを破損したが応急で修復して逆転を狙った。代わってトップに立った#71MR-Sは中盤にGT500マシンと絡んでコースアウト。これで難なくクラストップを奪回した#81シルビアは、青木→横島→大八木→横島→青木とつないで、危なげなく2年ぶりの3勝目を飾った。

 スーパー耐久クラスのGT-R勢は、序盤からトラブルが出てしまい3台とも優勝争いから脱落。S耐レギュラーの#20オガワADVANランサーが優勝した。  総合では、クールスーツのトラブルはあったものの、ハイスピードでレースを支配した#38auセルモスープラが初優勝を遂げた。

大八木信行選手
「3人のドライバーだけじゃなくて全員で取れた優勝だと思います」

青木孝行選手
「(序盤の接触は)レース展開が面白くなったでしょ? ここは何回勝ってもいいですね」

横島久選手
「せっかく助っ人として来ているので無事仕事がやれてうれしい。今年は勝率10割!」


TOPICS−往年の名車、デモラン

 1960年代の日本のモータースポーツに欠かせない名車が鈴鹿をデモ走行した。これは決勝日のピットウォーク時に国際コースで行われた「メモリアルパレード」で、参加したのは第1回鈴鹿1000km優勝のトヨタ2000GT、第2回と第4回で優勝したポルシェ906(カレラ6)、そして第5回大会で2位入賞のスカイラインGT-Rと日本のモータースポーツ黎明期をリードした3台。2000GTは初期型でナンバー付きの現役登録車両、カレラ6は元・瀧レーシングのレースカーそのもの、GT-Rは昨年のNISMOフェスティバルにも参加したレプリカ。ドライバーは2000GTが見崎清志、カレラ6は福山英朗、GT-Rは鈴木利男とこちらの顔ぶれも豪華。

 コース端に斜めに止められた車両に向かって、逆のコース端からドライバーが走ってマシンに乗り込むというル・マン式スタートで、真っ先にスタートしたのは2000GT。ここにGT-R、そしてドアの開閉などで手間取るカレラ6が追いつき、合計18シリンダーのエキゾーストノートがコースにこだました。3台はときおり順番を入れ替えながらコースを1周。最後は3台並んでチェッカーを受け、ファンの視線を釘付けにした。

「ル・マン式スタートなんて息が上がっちゃうよ」とおどけていた利男は終始ニコニコ。その後に行われた決勝でもフェラーリF355をドライブして、インターナショナルクラス3位で表彰台に上り、再びニコニコだった。

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