【決勝】24時間(603周)
北海道の夏の始まりを告げるレースとして定着した本大会は、汗ばむほどの快晴のもとスタートを迎えた。スタート直後の1周目に、#23がポールポジションスタートの#3を捕らえトップに立った。
他のGT-Rも#23に続き、GT-R勢が上位を独占する形で序盤のレースは進んでいったが、2時間を過ぎたところで#23のドライブシャフトにトラブルが発生し、ピットにて修復したものの#1と#8から2周の遅れを取ってしまった。また、#24も2WD状態での走行を強いられておりラップタイムが伸びなかったことから、トップ争いは、#8と#1で行われることとなった。
3時間を過ぎた頃に、またも、#23にトラブルが発生。マフラーに亀裂が生じたことにより、コースに引きずるようになってしまったのである。更に、その後も黄旗追越によるペナルティーなどにより大きく遅れを取ってしまった#23は、僅差ででトップ争いをする#8と#1のラップタイムを上回るハイペースでの追い上げを余儀なくされた。
一方、#24は2WD状態でのラップタイムの落ち込みにたまりかね、8時間すぎにピットにて修復にかかったが原因がなかなかつかめず、30分以上時間を費やしてしまった。これにより、トラブルは解消されたものの大きく遅れを取ることとなった。
トップ争いをする#8と#1の差に変化が出たのは、レースの折開始地点となる午前3時頃であった。#1は、オイルフィラーキャップの緩みからエンジンオイルが噴き出してしまったのである。適切な対応によりロスタイムは最小限に押さえられたものの、ノントラブルでトップを快走する#8とのは、1周になってしまったのである。
その後、13時間経過頃またも#23にトラブルが発生。今度はエンジンブロー、致命的なトラブルであった。エンジン交換し再度コースに戻れたのは、17時間過ぎであった。更に、エンジンブローの影響で配線を損傷してしまった為、修復しきれずGT-Rの武器であるE-TS、A-LSD、ABSが全て制御されない状態での走行となったため、追い上げはあきらめ完走狙いの走行に作戦変更を行い、地道な走行を続けた。
十勝24時間レース史上最大の走行距離を記録した昨年を上回るペースで周回を重ねながら、トップ争いを展開していた#8と#1にもトラブルは襲い掛かった。
まもなく19時間を迎えようとしたとこで、16時間以上トップを死守してきた#8にハブトラブルが発生した。これにより十勝6連覇を狙う#1がトップに立った。さらに、このままチェッカーを迎えるかと思われた23時間過ぎ、今度は#1にエンジントラブルが発生。#1のエンジンは、チェッカーを受ける為に1周するのが精一杯の状態であり、これにより、#8が再び総合1位に返り咲いた。
しかし、残り数十分となったところで、今度は#8のフロント周りより異音が発生。大事を取り、ラップタイムを3分台まで落して走行を続け、見事GTクラスを押さえスーパー耐久GT-Rとして2度目の総合優勝を獲得した。他のGT-R勢もそれぞれにトラブルは発生したものの全車完走を果たした。