決勝レースは、前日までの高温多湿がうそのような曇天涼気の中でスタートを迎えた。気温は24℃と、ソフトタイヤをチョイスしたニスモのGT-R 2台には絶好のコンディションとなった。
14:30、ローリングラップがスタート。1周のフォーメーションののちレースは幕を開けた。フロントローから絶妙のスタートを切った#23ペンズオイル ゼクセルGT-Rのエリック・コマスは、第1コーナー手前で#33チームUKYOスープラをかわし、第1コーナーの進入では#6エッソウルトロンスープラを抑えてトップにたち、そして、早くも独走態勢に持ち込んだ。そして、5周目には2位の#33に約2秒の差をつけ、その後12周目には5秒、20周目には約7秒と差を広げた。31周目にはトップでピットイン。18秒という驚異的な速さでピットワークを終えると、影山正美が再びレースリーダーとしてトラックに戻った。
一方、8番グリッドからスタートした#22ザナヴィ ヒロトGT-Rのミハエル・クルムは、やはりロケットスタートを決めて5位にジャンプアップ。3周目には4位に浮上。続いて4周目に#6を抜いて3位となる。その後#6とデードヒートを繰り広げ、一時先行を許すものの、16周目の第1コーナーで捕らえなおすと、2位の座を確保。32周目のピットインでは、2位で田中哲也にバトンタッチした。
後半は、3位に約10秒もの大差をつけ、1-2体制を敷いたニスモのGT-R同士の戦いとなった。#23影山正美は、1'27"台のハイペースでラップを重ねるが、選手権ポイントでトップを争う#22のピットからは「ペースアップ」の指示が出され、それを上回るハイペースで田中哲也はプッシュを続けた。6秒あった1位との差を終盤50周目までの15ラップほどでじりじりと詰めると、51周目のヘアピンコーナーでついに#23をキャッチしてトップを奪った。その後もペースを落とすことなく、#23影山を直後に従えてチェッカーフラッグを受けた。これによって、ニスモは1-2フィニッシュを決め、印象的なGT-Rの完全勝利を飾った。
クルム、田中はともにGT富士初優勝。選手権チームポイントは、一躍トップとなった。