土曜日は肌寒く、また夕方には一時激しい降雨もあったが、決勝レース日となった日曜日は朝から快晴。気温もスタートの14:00前には20℃を超し、初夏を思わせる気候となった。
朝9:20から行われたフリー走行では、ニスモの#23ペンズオイル・ゼクセルGT-Rがトップタイムを記録し、#22ザナヴィ・ヒロトGT-Rも4番手に入るなどスカイライン勢有利と思われた。
決勝レースは、14:00にローリングを開始し、1周後に一斉にスタート。#23のエリック・コマスが抜群のスタートを切った。4番手のアウト側から2台を抜き去り、第1コーナーを2番手で立ち上がった。8周目にはGT300クラスをパスし、10周目のアットウッドカーブでトップを行く#1ロックタイト無限NSXを抜いてトップに躍り上がった。
その後10周に渡ってトップを快走するものの、路面温度が予想以上に高く、20周目には#1にトップを譲り、ラップタイムが5秒近くも落ちるなどタイヤコントロールに苦労した様子。だましだましの走行を続けたが、30周目には左リヤタイヤがバースト寸前となったため、緊急ピットイン。タイヤだけ交換してコースに戻った。順位を14位まで落としたが、再び猛チャージで追い上げを開始。しかし、38周目に発生した他車のクラッシュによってセーフティーカーラップとなると、ピットインして影山正美にドライバー交代した。
影山はコンスタントに周回を重ね、12位のポジションから先行車をパスし11位に上がるとトップテンを目指して走行した。終盤に後続車にラインを譲ったところスピンされ、それを避けて前に出ようとしたところをバックしてきた同車にヒットされて前部を破損。トップ10フィニッシュを逃すこととなった。
一方、#23同様ソフトタイヤをチョイスした#22ゼクセル・ヒロトGT-Rは、ミハエル・クルムがスタートドライバーを担当。#23に従ってスタートダッシュを見せ、4位にポジションを上げて序盤を周回。トップ3台にピタリとつけて好機到来をうかがった。26周目には#64モービルワンNSXをパスして3位に浮上した。そして、セーフティカーランの間にルーティンピットに滑り込み、田中哲也にバトンタッチ。3位のまま田中はレース後半を淡々と刻んだ。

しかし田中もタイヤのコントロールに苦しみ、ラップタイムが上げられず、必死にポジションを守ったが、終盤についに3位の座を明渡し4位でレースを終えることとなった。
■エリック・コマス
「タイヤの選択も含めると残念ながら今回は私たちが最速のクルマではなかったということです。クィックスタートと序盤のトップ走行はファンの皆さんに喜んでいただけたと思います。私はチャレンジしたつもりですが、結果的にタイヤの消耗を早め、アイスレースのようにグリップのない状態を招いてしまいました。これは私の判断ミスです」
■田中哲也
「僕もタイヤを序盤はセーブして走りました。しかし、途中からプッシュしようとするとグリップを失い、ポジションを守るのが精一杯でした。なんとか表彰台と思っていましたが、それが叶わずとても悔しいです。次は頑張ります」
■ニスモチーム柿元監督
「タイヤの選択は確かに誤ったと思います。そして、なんといってもNSXが速かったですね。しかし、これで私たちにはウェイトハンディが積まれることはないし、選手権ポイント10ポイントを獲得できたので、次の富士に繋げられたと思います」