JGTC第2戦はゴールデンウィークの富士スピードウェイで開幕。今回のイベントは通常の250〜350kmという距離ではなく、JGTC初めての500kmレースとなる。したがってピット作業も増え、チームの総合力が問われるレースとなる。ニッサン勢では、今回より尾本直史/山本泰吉組の#51 C-WESTレッツォADVANシルビアが参戦。これは99年NISMOワークスカーをベースに、C-WESTオリジナルの前後フェンダーを装着したS15シルビアで、98〜99年S耐クラス4チャンピオンである山本は今回がJGTCデビューとなる。
1回目の予選の行われた3日朝は、前日の雨が残りまるで春先に戻ったかのような寒さ。#23GT-Rは2番手、#22GT-Rは6番手、#12GT-Rは9番手とウェットコンディションでも好位置につけた。GT300のシルビア勢は、午後の予選で晴れることを期待して、マシンのチェックやドライバーの慣熟走行にとどめた。
午後になり雨も上がりコンディションの良くなったコースだったが、予選2回目が始まるころには再び雨がポツリポツリと落ち、いつコンディションが変わってもおかしくない状況に。GT500では終盤に、コースレコードをマークする車両が出て、また1分25秒台には12台もの車両がひしめき合うなど、激しいアタック合戦が繰り広げられた。結果、#12GT-Rが5番手、#22GT-Rが6番手につけたが、ハードタイヤを選択した#23GT-Rは予選順位よりもレースモードの走行に専念し、15番手にとどまった。
GT300では、#81シルビアが昨年の第4戦富士以来のポールポジションを獲得。また#3シルビアは、次戦にウエイトハンディを加算されない4番手を狙いどおりゲット。#51シルビアはクリアラップを得られず17番手となった。
明けた決勝日は時おり日が差す曇り空。気温16℃とやや肌寒い中、決勝は午後1時45分にローリングスタートが切られた。序盤のつば競り合いの中、#12が4位、#22が8位、#23が13位に。しかし#12は25周目の1コーナーでオーバーラン。1回目のピット作業で#12は本山から服部へ、#22は田中からクルムへ、そして#23は影山からコマスへドライバー交代し、中盤戦へ突入した。
44周目にGT300マシンが最終コーナーでクラッシュしたためにセーフティカーが導入された。48周終了で再スタート。この時点でGT-R勢は#22が7位、#23が8位、そして#12が9位と3台が連なる状態に。そして折り返し点を過ぎた60周目には#22が4位、#23が6位、#12が8位となっていた。ところが63周目に#12が突然スロー走行。電気系のトラブルでマシンを停め、残念ながらリタイアとなってしまった。
2回目のピット作業は3位の#18NSXと4位の#22が同時にピットロードへ。しかし#22はドライバー交代をせず、スピーディな作業で先にコースへ復帰。#23も同様の作業、見事な「NISMOマジック」でポジションを4位に上げた。レース終盤の107周目、5位争いをしていた#18NSXがGT300マシンとの接触でスピン、クラッシュ。これにより再びセーフティカーが導入され、このままチェッカーかと思われた。しかし111周で再スタート。最後はわずか3周のスプリントレースとなったが順位は変わらず、#22が3位表彰台に。#23が予選15番手から大きく順位を上げ4位でゴールした。
一方GT300では、#81と#3、シルビア同士のトップ争いが繰り広げられた。32周目のAコーナーで#3がトップに躍り出ると、途中、1ピット作戦の#31MR-Sに一時的にトップを渡すものの、スピードで他を圧倒して難なくトップを奪回。最後は#3、#81の順でゴールするかに思われた。しかし#3はサスペンションにトラブルを抱え、80周目には5秒近くあった2位#81との差は、4周後には3秒差に。これで#3の井出もペースを上げ、いったん差は広がった。だが、#3のトラブルは悪化。#81の青木は一気に#3の背後に迫ると、98周目のコントロールライン通過直前でトップを奪い返した。直後に2度目のセーフティカーランとなったこともあり、#3はピットインして修理、2位を守ってコース復帰した。優勝したのは#81で、これがGT参戦5年目にしてうれしい初優勝となった。
なお#51は終盤タービンのトラブルに見舞われ、14位でチェッカーを受けるにとどまった。