
シカゴランド・スピードウェイで行われたデルファイ・インディ300で、エディ・チーバーJrとロビー・ビュールがインフィニティ・エンジンの底力を見せつけた。チーバーが3位でゴール。ビュールは32周に渡って先頭を走り、最速ラップを叩き出したが、ギヤボックスの故障でリタイヤとなった。
フロントローからスタートしたエディ・チーバーJrは、レース早々にハンドリングにてこずる。これによって、序盤は2位から3位へ。その後5位へと順位を落とした。
165周目にコーションが出ると、この絶好のタイミングに各車最後のピット作業が行われた。十分優勝できる位置にいるチーバーは最低限の燃料給油とタイヤ交換を素早くこなしたが、ピットスタート時にエンジンストール。すぐ再始動しコースへ戻るもののコーションランの最後尾となってしまった。原因はピットロード速度リミッターが誤作動した様子。173周目再スタート。心配された電気系統にも問題はなく、この時点で順位的には7位のチーバーは、気合いの入ったリスタートを切る。多くの周回遅れをかわしながら文字通り鬼神の追い上げを開始した。
残りの周回数もわずか26周。周回が進むにつれ、ほぼ満員の観客もチーバーの追い上げに気づき大騒ぎとなる。そして、残り2周でついに3位まで浮上した。
ロビー・ビュールは、レース前半は優勝候補と目されていた。4番手からスタートし、59周目でトップに踊り出ると、32周に渡ってリードを奪った。また、73周目には最速の222.137mphを記録。これで#24チーム・ピュレックス/ドレイヤー&ラインボルド・レーシング・インフィニティは3レース連続でトップを走行したことになる。しかし、ビュールの優勝への希望は、99周目に発生したインプット・シャフトのトラブルにより絶たれてしまった。
次回インディ・レーシング・ノーザン・ライト・シリーズは9月16日、テキサス・モーター・スピードウェイで遂にファイナルを迎える。
■エディ・チーバーJr
(2位スタート、3位ゴール)
「最速の車と最高のエンジンに恵まれたが、最後2回のピット・ストップで電気系統のトラブルに見舞われ、エンスト。3位でピット・インしたのに、ピット・アウトしたら15位だった。順位を10個落として、10個取り返した。下がったり上がったり、下がったり上がったりだよ。最高の車で最高のエンジンなのに、3位なんて罪だね。コースは素晴らしかった。それからグリップは十分だった。すごくタイトでアグレッシブで、密度が高く、マルハナバチの群れみたいだった。あと100周あって、トラフィックに入っていくのは楽しいよ。あと20周しかない時に勝てるはずの車に乗ってるのは、すごく欲求不満だ。」
■デニス・ラインボルド(#24チーム・ピュレックス・ドレイヤー・アンド・ラインボルド・レーシング、チームオーナー;4位スタート、22位ゴール)
「本当にいい車だった。ピュレックス・インフィニティ・エンジン搭載車は、今日は調子が良くて、本当に望むところのレースになったと思った。2度のピット・ストップもうまくいって、コースでの順位を上げることができた。でもその後、インプット・シャフトのベアリングが動かなくなって焼きついてしまった。その時点でもうお手上げだ。それまでは先頭を走っていたんだよ。インフィニティ・エンジンは本当にすばらしかった。」