2000年2月25日(金)にツインリンクもてぎで行われたNISMO占有テストののち
インタビューセッションが行われた。
柿元邦彦監督
Kunihiko Kakimoto(日)
本日のテストの目的は、4月はじめに開催されるJGTC第1戦に備えたハードウェアのテストと今年からニスモチームに加入することになった片山右京選手の慣熟走行であった。タイヤテストなどの項目消化に時間がかかったため片山選手は充分乗れなかったので、3月中旬のテストでこの続きを行ってもらうつもり。
テストの結果は、トータル107周走行し、エリック・コマス選手が92周、片山選手は15周、ベストラップタイムはコマス選手が1'49"1、片山選手は中古タイヤで1'51"8であった。99年仕様の予選でのベストタイムが1'49"1だったので、結果にはほぼ満足している。
2000年仕様のマシンは、本年のレギュレーションに対応し、@リアウィングの小型化、AABS/アクティブLSD不使用による新ブレーキシステムと新デフの採用、Bエアリストリクターの小径化などが行われている。特にリストリクターによって、エンジン出力は下がっている。この仕様に合わせ、タイヤは7種類用意し、比較テストした。
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テスト車(99仕様+ニューリアウィング)
片山右京選手
Ukyo Katayama(日)
今年からニスモにお世話になることになったのは、自分自身で決断したことだが、理由はトヨタでF1のテストをさせてもらうよりも、ワークスチームで現役ドライバーを続けたかったから。また、フランスに住んでいた頃からのライバルで、共にF1でしのぎを削ったエリック(コマス)とチームメイトになりたかったことも意思決定要素のうち20%位を占めていた。エリックと僕、そしてクルム、(影山)正美のチームは国内最強だと確信している。同じチームでも彼らと切磋琢磨しながら、良い意味でライバルとして競いあっていきたい。かつてF3は日産でやったことがある。ニスモについては、プロのレース専門家集団で、硬派のイメージがある。
GT-Rについては、以前から「乗りやすいクルマ」と聞いていたので、楽しみにしていた。また、スープラと余りに違っていたのでびっくりした。昨年のレースを外から見ていて、長いエンジンをフロントに載せたクルマはアンダーが強いはずという固定観念もあったので、乗りやすいとは思わなかった。しかし、乗ってみたら彼らがいう「乗りやすさ」をいたる部分で感じた。とても面白い。また、ミシュランとブリヂストンでは、タイヤの印象が全く異なっている。
エリック・コマス選手
Erik Comas(仏)
(コマス選手は流暢な日本語を話すことで知られているが、)クリスマス休暇をとっていたら、日本語忘れてしまった。右京と一緒のチームで走れることになり、とても嬉しい。95年のF1で一緒にバトルを繰り広げた仲間であること、そして、彼のパーソナリティがとてもジェントルマンだから。
今年の私のターゲットは、3回目のチャンピオンを取ること。98年にダブルタイトルを獲得したときのチームメイトである正美がチームに戻るので、次のテストで一緒に走れることを楽しみにしている。
99年スペックと比較すると、ダウンフォースが少ないが、今日の仕様はデフと空力バランスについては満足している。私は、97年から日産でJGTCレースに参加しているが、当時からアクティブLSDとABSの組み合わせが大きなアドバンテージだった。だから少し不安だったが、昨年11月からタイヤテストを繰り返したため、昨年のベストタイムと同じタイムが出て良かった。新しいブレーキについては、まだ80%の満足度だ。
今年もチャンピオンを取る自信はある。
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