【決勝】 4時間(127周)
シリーズの中で最も長距離で争われるこの富士のレースは、今にも雨が落ちてきそうな曇り空の元、正午丁度にスタートがきられた。
まず飛び出したのは練習走行時より好調であった #8ダイシンアドバンGT-Rで、ラップあたり0.5〜1.0sec 2位以下を引き離し序盤で独走状態を築き上げた。2位には、予選は不調であったが決勝になり本来の早さを取り戻した#10エンドレスアドバンGT-Rがつけ以下#50 5ZIGENファルケンGT-R、#23トトムフジツボGT-R、#1 BPアドバンGT-Rのオーダーでレースは進んだ。
スタートから27LAPをすぎた頃よりついに雨が落ち始め、GT-R勢がピットインを行うタイミングである40LAPすぎには路面を濡らすまでになったが、タイヤ選択に迷う非常に微妙なコンディションであった。その様な状況の中42LAP目にピットインした#8,#50,#23は、スリックタイヤを選択し、やや雨足が強まった43LAP目にピットインした#10,#1はレインタイヤを選択した。結果から見れば、この1回目のタイヤ選択が優勝の行方を左右することになった。
その後雨は若干小降りになることはあったが止みはせず、55LAPすぎには強く降るようになった。これでレインタイヤを選択した#10にとって状況は一気に有利になりついに#8を逆転しラップリーダーとなった。
80LAP目にトラブル車両の回収のためセーフティーカーが入ると#8はすかさずピットインしレインタイヤに交換、#50,#23もピットインしたが路面状況が好転する事にかけ、前戦のもてぎレースと同様にスリックタイヤのまま無交換の作戦をとり逆転をねらった。トップを快走する#10はレインタイヤに交換済みのためセーフティーカーランの間に燃費をセーブし次のピットまでの距離を伸ばし、以降の展開に幅を持たせる作戦をとった。これがずばりあたり、103LAP目に再びセーフティーカーが入ったこともあり通常3回のピットインが必要なGT-R勢の中で唯一2回のピットインで4時間を走りきった。
その後路面状況は回復することはなく、#10が逃げ切り初優勝を飾った。2位には#50が追い上げこそ出来なかったもののいつも通りの安定した走りで入り、3位には久しぶりに出場した#1が入った。
#8は、2回目のピットインの直前に接触し、その影響でフロントバンパーが損傷し、修復のためイレギュラーなピットインを繰り返し下位に沈んだ。また、#23は101LAP目に他車と接触しリタイアとなった。
この結果、シリーズポイントリーダーであった#50がシリーズポイント2位の#8に22点の差を付け最終戦を待たずに今シーズンのシリーズチャンピオンを獲得した。
2クラス参加の#31ジャラーナアドバンシルビアは、スタート早々に他車と接触し一時は30位以下に順位を落としたが、その後順調に周回を重ね総合19位,クラス8位でフィニッシュした。
また、4クラスの#52 5ZIGENファルケンパルサーは、予選4位スタートながら2回のセーフティーカーランの間に逆転し1時クラストップを走る快走を見せたが、やはり終盤WET性能に勝るアドバンタイヤを装着している#54BPアンクルシビックに逆転され、クラス2位でフィニッシュした。