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スーパー耐久シリーズ第7戦
Super TEC

2000.10.14-15

5ZIGEN☆ファルケンGTR
シリーズチャンピオン獲得!

1クラス:エンドレスアドバンGT-R
今シーズンの初優勝を飾るGTR
4クラス:5ZIGENファルケンパルサークラス2位、スポット参戦のNTCパルサーも完走

【予選】

富士スピードウェイでのレースとあってエントリー台数51台という今シーズン最多の参加車を集めての開催となったが、練習走行中に2クラスの車両がクラッシュしエントリーを取り消したため出走台数は50台であった。

1クラスは、久しぶりに#1BP ADVAN GT-Rがエントリーし5台での予選となった。まずアタックに出たのは#23トトムフジツボGT-RでGT-R勢にしては珍しく開始後約15分という早いタイミングでコースインし混雑の中1'36"940のタイムをだしトップに立った。他のGT-R勢は通常通り開始30分過ぎより続々とコースインしやはり混雑の中クリアラップを探しながらアタックを行った。

そんな中一瞬のアタックチャンスをものにした#8ダイシンアドバンGT-Rが1'35"798のタイムを叩きだし今期初のポールポジションを獲得した。2番手にはこれも1'35"台に入れた#50 5ZIGENファルケンGT-Rがつけた。ここのところ予選好調の#10エンドレスアドバンGT-Rはタイムが伸びず3番手にとどまった。

2クラスは予選落ちがあり、出走13台中11台のみ決勝へ進めることが出来るが、S耐レギュレーションによりシリーズポイント上位5台には決勝進出優先枠があるため、実質8台中2台の予選落ちが発生する厳しい条件の予選であった。唯一日産車で参戦している#31ジャラーナアドバンシルビアは予選開始早々より好タイムを出しクラス9位で予選通過を果たした。

4クラスは、#52 5ZIGENファルケンパルサーが逆転チャンプを狙いアタックしたが、CIVIC勢が予想以上に早く約1秒のタイム差をつけられクラス4番手にとどまった。今回は、この富士レースのみのエントリーとなる#89NTCパルサーも出走した。

【決勝】 4時間(127周)

シリーズの中で最も長距離で争われるこの富士のレースは、今にも雨が落ちてきそうな曇り空の元、正午丁度にスタートがきられた。

まず飛び出したのは練習走行時より好調であった #8ダイシンアドバンGT-Rで、ラップあたり0.5〜1.0sec 2位以下を引き離し序盤で独走状態を築き上げた。2位には、予選は不調であったが決勝になり本来の早さを取り戻した#10エンドレスアドバンGT-Rがつけ以下#50 5ZIGENファルケンGT-R、#23トトムフジツボGT-R、#1 BPアドバンGT-Rのオーダーでレースは進んだ。

スタートから27LAPをすぎた頃よりついに雨が落ち始め、GT-R勢がピットインを行うタイミングである40LAPすぎには路面を濡らすまでになったが、タイヤ選択に迷う非常に微妙なコンディションであった。その様な状況の中42LAP目にピットインした#8,#50,#23は、スリックタイヤを選択し、やや雨足が強まった43LAP目にピットインした#10,#1はレインタイヤを選択した。結果から見れば、この1回目のタイヤ選択が優勝の行方を左右することになった。

その後雨は若干小降りになることはあったが止みはせず、55LAPすぎには強く降るようになった。これでレインタイヤを選択した#10にとって状況は一気に有利になりついに#8を逆転しラップリーダーとなった。

80LAP目にトラブル車両の回収のためセーフティーカーが入ると#8はすかさずピットインしレインタイヤに交換、#50,#23もピットインしたが路面状況が好転する事にかけ、前戦のもてぎレースと同様にスリックタイヤのまま無交換の作戦をとり逆転をねらった。トップを快走する#10はレインタイヤに交換済みのためセーフティーカーランの間に燃費をセーブし次のピットまでの距離を伸ばし、以降の展開に幅を持たせる作戦をとった。これがずばりあたり、103LAP目に再びセーフティーカーが入ったこともあり通常3回のピットインが必要なGT-R勢の中で唯一2回のピットインで4時間を走りきった。

その後路面状況は回復することはなく、#10が逃げ切り初優勝を飾った。2位には#50が追い上げこそ出来なかったもののいつも通りの安定した走りで入り、3位には久しぶりに出場した#1が入った。

#8は、2回目のピットインの直前に接触し、その影響でフロントバンパーが損傷し、修復のためイレギュラーなピットインを繰り返し下位に沈んだ。また、#23は101LAP目に他車と接触しリタイアとなった。

この結果、シリーズポイントリーダーであった#50がシリーズポイント2位の#8に22点の差を付け最終戦を待たずに今シーズンのシリーズチャンピオンを獲得した。

2クラス参加の#31ジャラーナアドバンシルビアは、スタート早々に他車と接触し一時は30位以下に順位を落としたが、その後順調に周回を重ね総合19位,クラス8位でフィニッシュした。

また、4クラスの#52 5ZIGENファルケンパルサーは、予選4位スタートながら2回のセーフティーカーランの間に逆転し1時クラストップを走る快走を見せたが、やはり終盤WET性能に勝るアドバンタイヤを装着している#54BPアンクルシビックに逆転され、クラス2位でフィニッシュした。


チャンピオン獲得!!
5ZIGEN☆ファルケンGTR

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エンドレスアドバンGTR

ダイシン・アドバンGTR

トトムFUJITSUBO GTR

5ZIGENファルケンパルサー

ジャラーナADVANシルビア

正式決勝結果
POS. No. CLS Car DRIVER Lap/Behind
1(1) 10 1 エンドレスアドバンGTR 木下みつひろ/高木 真一 127 Laps
1(2) 50 1 5 ZIGEN☆ファルケンGTR 竹内 浩典/田中 哲也 -0'38"404
3(3) 1 1 BP ADVAN GT-R 粕谷 俊二/見崎 清志 -1 Lap
4(1) 20 2 RSオガワADVANランサー 小川日出生/細野 智行/伊藤 勝一 -3 Laps
5(2) 27 2 WAKO'S BMW M3 牧口 規雄/松田 秀士 -4 Laps
6(3) 30 2 RSオガワADVANランサー 小宮 延雄/袖山 誠一/杉野 賢二 -5 Laps
7(1) 33 3 BPビスコガンマRX-7 三好 正己/大井 貴之 -5 Laps
8(1) 4 N+ RS・Rアルテッツア 織戸  学/土屋圭市  靖 -5 Laps
9(2) 33 3 Power MagiC RX-7 関根 基司/藤島 敏也/田畑  勇 -5 Laps
10(4) 34 2 SWIFTマグナムランサー 村松 康生/桂 伸一/中島 哲也 -6 Laps
19(8) 31 2 ジャラーナADVANシルビア 小林 正吾/錦織  勝/たしろじゅん -9 Laps
21(2) 52 4 5ZIGENファルケンパルサー 西垣内正義/原  貴彦 -10 Laps
30(4) 8 1 ダイシン・アドバンGTR 大八木信行/青木 孝行 -15 Laps
32(5) 89 4 NTC PULSAR 石田 敏人/天川 琢雄/山口 一之 -18 Laps
- 23 1 トトムFUJITSUBO GTR 砂子 智彦/山田 英二 R
Report :NISMO TAKANO


◆竹内浩典が前人未到の4年連続チャンピオンに

今回2位でフィニッシュした5ZIGEN・ファルケンGTRの竹内浩典/田中哲也組が、最終戦をまたずにクラス1のチャンピオンを決定した。竹内の4年連続はS耐新記録。4回目のチャンピオンは原貴彦とタイの記録となる。
「素直にうれしいですよ。このタイトルを取るために開幕から頑張ってきたんですから。でも優勝で決めたかった」と竹内。第2戦以降続けていた連勝記録は「5」でストップしたが、最終戦・SUGOではシーズン最多勝利「6」を目指して走ることになる。
表彰式では「何かやんなくちゃつまんない」と、今回今季2度目のファルケンチーム監督を務めるパイレーツをまずポディウムに登場させ、ドライバーふたりが"キャンボーイ"としてパラソルを持って登場するシーンも。

N1耐久〜スーパー耐久クラス1歴代チャンピオン
ドライバー 車名 タイヤ
91 清水和夫/原 貴彦 日産アルティアFALKEN・GTR他 オーツ
92 桂 伸一/原 貴彦 日産アルティアFALKEN・GTR オーツ
93 原 貴彦/桂 伸一 日産アルティアFALKEN・GTR オーツ
94 都平健二/河合博之 WISE SPORTS GTR ヨコハマ
95 原 貴彦/和田 久 RAZO・TRAMPIO・GTR トーヨー
96 砂子智彦/福山英朗 プリンス東京FUJITSUBO・GTR トーヨー
97 横島 久/竹内浩典 日産プリンス千葉GTRファルケン オーツ
98 横島 久/竹内浩典 日産プリンス千葉GTRファルケン オーツ
99 竹内浩典/田中哲也 日産プリンス千葉GTRファルケン オーツ
00 竹内浩典/田中哲也 5ZIGEN・ファルケンGTR オーツ
※正式にはドライバー組と車両の組み合わせで表彰される。

◆元祖日産ワークスドライバー田中健二郎登場

1964年に日産ワークス入りしてキャプテン的存在だった田中健二郎さん(66)が、サーキットに帰ってきた! 作家の故・大藪春彦氏とともに30年ほど前に結成したチーム・マグナムが、このS耐富士で復活してレース活動を再開したのだ。、GT-RでS耐優勝経験もある桂伸一と村松康生、そしてF4ドライバーの中島哲也が三菱ランサー・エボリューションYを駆り、クラス2で4位と健闘した。「昔は満足な道具もないのに、ちゃんと速く走れた。われわれの経験を若い人たちに伝えていきたい」と健二郎さん。ピットにはチーム再結成のために動いた高橋国光さん、酒井正さん、漆原徳光さん、木下昇さん、永松邦臣さんら往年の名ドライバーが集結した。
「なんだかすごい先輩たちが、次々にあいさつに見えて、すごいことになってる」と桂。「しかしサーキットのアナウンスで『元ドライバーの桂選手』って紹介されたけど、俺は十勝24時間にもGT-Rで参戦したよ」と苦笑していた。


◆長谷見昌弘、久々のスーパー耐久に姿を見せる

パドックの通路をドコドコ……と太いエキゾーストサウンドを響かせながら走るハーレー・ダビッドソン。
黄色、黒、白のヘルメットはどこかでみたことがあるような……。
GT最終戦で全日本格式のレースから引退する長谷見昌弘がスーパー耐久に姿を現したのだ。目指すは、チーム・マグナムの"田中先輩"。「若いドライバーの中では、田中哲也君が『アドバイスをお願いします』とピットへあいさつに来たよ。さすが長谷見のチームのドライバーだね」と健二郎さんは感心しきり。
そしてあいさつを済ませた長谷見は、GTでコンビを組む5ZIGEN GT-Rの田中哲也のグリッドへ。世間話を交えながら、クラス1のチャンピオンがかかった田中と竹内両ドライバーを励ましていた。長谷見選手は昨年、田中選手がフォーミュラ・ニッポンに参戦するためにS耐を欠場した際に、代役で竹内と組んだ経験もある。


◆2001年暫定カレンダー発表される

来年のスーパー耐久シリーズの暫定カレンダーが発表。今年同様、全8戦で組まれる。なおレース距離は「最低の200マイル(約320km)を400kmに伸ばして、富士も6時間に戻したい。これから各サーキットと話し合います」と桑山充事務局長。韓国のレースも7月上旬に開催されるかもしれないとのことだ。

ラウンド 決勝日 サーキット
第1戦 4月1日 CP MINEサーキット
第2戦 4月29日 仙台ハイランド
第3戦 5月13日 鈴鹿サーキット
第4戦 6月10日 ツインリンクもてぎ
第5戦 7月21〜22日 十勝スピードウェイ(24時間)
第6戦 9月9日 TIサーキット英田
第7戦 10月7日 スポーツランドSUGO
第8戦 11月4日 富士スピードウェイ
Words :KAZUYA MINAKOSHI
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