しかし、見事に予報は外れ、スターティンググリッドに34台のマシンが並んだ14:00過ぎには、雲が切れて晴れ間が見えていた。その後のレース中もゴールまでドライコンディションをキープした。
朝のフリープラクティスで4番時計を記録していた#1ロックタイト・ゼクセルGT−Rは、エリック・コマスがグリッド8列目の15位からスタート。コマスはグッドスタートを切り、1周目にメインストレートに戻ってきた時には13位のポジションであった。
2周目、3周目を1’24”前半のハイペースで周回し、序盤から積極的にポジションアップを図る勢いであった。
しかし、4周目に入ったストレートエンドからエンジン不調が発生。異常に気づいたコマスは、クルマをピットまで戻すことを考えてペースダウンし、慎重に第2、第3コーナーを抜けてヘアピンを立ちあがると、突然エンジンンパワーを失い、アウト側グラベルにクルマを停車せざるを得ない状況となった。
コマスはクルマを降りてヘルメットを取り、リタイヤの意思表示を行った。徒歩でピットに戻ったコマスは、「4年間ニッサンでレース人生を送っているが、エンジントラブルでのリタイヤは初めての経験。ザッツ・モーターレーシング。こんなこともあるさ。」と、残念そうに肩をすぼめた。
10番手からミハエル・クルムがスタートした#2カストロール・ニスモGT−Rは、序盤から多くの他車が接触やスピンアウトなどで混乱を見せる中、淡々と10位のポジションを守り、安定したレースラップを刻んだ。
33周目以降、ドライバー交代のため他車が次々とピットインしていく中、クルムはタイヤをいたわりながら走行を続け、44周目にピットインした時点では暫定的ではあるがリーダーボード2番目のポジションであった。
定評あるニスモの迅速なピットワークを経て片山右京がコースインした。ピットアウトの際、片山は他車と接触し、コースアウト。コントロールラインを通過したときには11番手にポジションを落としてしまった。
この接触の時の後遺症が後々まで影響を及ぼしたのか、一時10番手に上げるものの、ペースを上げられずに周回を重ね、81周目のフィニッシュラインを11位でクロスした。
ミハエル・クルムは、「コースは全周に渡ってタイヤ片やクラッシュ車両の破片、そして砂利やオイルが出ていて非常に滑りやすい。最悪のトラック・コンディションだった。」と語り、片山右京は「ピットアウトで接触してから流れが狂ってしまった。ポジションアップできなかったのは自分の責任です。次回は思いっきり頑張ります。」とコメントした。