14:30、37台の参加車両がローリングラップを開始。1周のフォーメーションののち、一斉にスロットルを全開し、レースはスタートした。
ミハエル・クルムがグリッド2列目からスタートした#2カストロール・ニスモGT−Rは、序盤から2位の#6スープラを執拗に追いたて、11周目には同車をパス。約4秒先行していたトップの#18NSXとの間合いをじりじりと狭めていく。1’28”台前半、時には27”台でペースアップするが、その都度#18はペースをコントロールして間隔を詰めさせない。そして、35周目には片山右京にバトンタッチした。この時の鮮やかなピットワークは、全エントラント中最速の22秒。クルー達は、抱き合って喜んでいた。
復帰初戦の片山は、「今年最初のレースなので、クルマを壊したらいけないので、慎重に周回した。」と語るとおり、1’28”後半をキープし、2位を守る走りを実行した。「でも、途中、ピットから3位が迫ってきたと指令を受け、ペースアップしました。」と言うように、一時トップから20秒まで開いたタイム差を14秒まで縮め、2位でフィニッシュラインを越えた。
#1のスタートドライバーは、エリック・コマス。50kgのウェイトハンディと朝のクラッシュの影響など感じさせないアグレッシブなドライビングで、序盤に#36スープラ、#100NSXをパスし、7周目には11位にポジションアップした。17周目に#30がピットインし10位に上がると、バトンタッチまでの間をステディなドライビングに変えて周回した。給油とドライバー交代のためのピットイン時間は、ニスモの持ち味である優れたピットワークコンビネーションによって、それまでの最短時間である25秒。コースに戻った影山正美は、暫定とは言え4位に位置していた。しかし、さすがにウェイトハンディを背負ったままのレースラップはきつく、影山は1’29”台を堅持するものの、ピットワークで得た貯金を使いながら他車の先行を許し、6位の位置を確定的なものにした。そして、67周目のチェッカーフラッグまで6位を守りきり、2戦連続で選手権ポイントを獲得した。
ゴール後の影山は、「ストレートもコーナーでもウェイトがキツかった。僕は一所懸命走ったけど、遅かったわけではない。前半のエリックの走りがクルマの実力以上の速さだったと思う。」と語った。
【柿元監督総括コメント】
「2位、6位という結果を得られたのは喜びですが、欲をかいて#1はもっと高いパフォーマンスを発揮できたかもしれない、あるいは#2ももっと攻めの走りでトップを狙えたかもしれないと思うと、少しフラトレーションが残ります。しかし、クラッシュや片山選手の復帰初戦だったということを考えれば、チームとして2戦連続表彰台、チームポイントを加算してポイントリーダーの位置を得たことは、良い結果ということに間違いありません。」