これが、今年のニッサン ル・マン プロジェクトの参戦テーマ。 1998年5月19日。ル・マンに向けて…壮行会レポート 当日は、日本人ドライバー7人が顔をそろえ、力強い決意を表した。 今年のル・マンには、GT1クラスに4台のR390とLMPクラスのクラージュ2台が日産エンジンを搭載して参加する。 日産チームとしては、3台の98年型R390が出場。30号車は、クラリオン(株)のスポンサーによって、ジョン・ニールセン、フランク・ラゴース、そして、当初、予定されていたジャンニ・モルビデリに代わって、ミハエル・クルム、31号車は、(株)ユニシアジェックスと(株)ゼクセルのスポンサーによって、エリック・コマス、ヤン・ラマース、アンドレア・モンテルミニの3人。 32号車には、カルソニック(株)と(株)ザナヴィ・インフォマティクスのスポンサーで星野一義、鈴木亜久里、影山正彦の3人。 また、97年型R390で出場するプライベートチームを支援する。ノバ・エンジニアリングがによって運営される33号車は、(株)ジャパンエナジーと(株)文藝春秋の「Number」誌がスポンサーに付き、黒沢琢弥、影山正美、本山哲の3人のドライバーが参戦する。 この他にLMPクラスに出場する地元チームのクラージュの「クラージュC51」2台に、日産「VRH35L」エンジンを搭載して参戦する。 同チームには、土屋武士が参加する。6台の参加車は5月3日に行われた予備予選をクリアしている。 壮行会では、柿元邦彦監督から今年の体制、ギヤボックス、空力面、ABSなど昨年からマシンの改良点の説明が行われた後、各ドライバーの今年にかける決意表明が行われた。 チーム最年長の星野は「今年のマシンはドライバーの乗りやすいマシンになった。マシンに対しては、心配することは何もない。個人的には、若い人も速くなってきていることもあり、今年のル・マンで区切りを付けたい。チームのまとめ役に徹して表彰台に登れるようにがんばりたい。成田に着いてうれしい会見でもしたいね。恥ずかしい思いして日本に帰ってくるのはイヤだからね」と今年のル・マンにレース人生34年の集大成をかける。 鈴木亜久里は「予備予選では急に乗ることになって大事なタイムアタックを任せられた。F−1時代でもこんなには緊張をしたことはなかった。これで落ちたら日本には帰れないと思った。本戦では皆とがんばる」。 当初、ノバチームから出場が予定されていた影山正彦が黒沢琢弥と交代して32号車に乗り込む。影山正彦は「いきなり、チームの最年長から最年少になってしまったけど、気合いを入れてがんばる」。 ノバチームのメンバーは、影山正美が2度目の他は、黒沢琢弥、本山哲は、ル・マン初出場。本山は、5月3日の予備予選では終了間際にプライベートのポルシェを逆転、予備予選通過に大きな力を発揮した。 また、2周後の美祢で行われたフォーミュラ・ニッポンでも初優勝を飾るなど乗りに乗っている。 クラージュチームで参戦の土屋武士は、初めての海外ビッグレース出場となる。同チームのドライバー編成は現在のところ未定。 第66回ル・マン24時間レースは6月1、2日が車検。日産は2日の午後の予定。3、4日が予選。決勝は6日の午後2時にスタート。7日の午後2時にフィニッシュを迎える。 今年のル・マンは同じくフランスで行われるサッカーのワールドカップの関係から例年より1〜2週間早く、スタート時刻も例年の午後4時から2時間早い開催となっている。
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