in SUZUKA
1998.3.22

ペンズオイル・ニスモGT−R

Debut Win!


本格的に力を入れてきた国内3大メーカー、日産、トヨタ、ホンダの熾烈な戦いが予想される98年全日本GT選手権が鈴鹿サーキットにて開幕した。

本年度のニスモチームは、昨年度GT選手権のシリーズを制したトヨタスープラとミッドシップスポーツカーの利点を生かしたホンダNSXに対抗する為、全面的に設計しなおした98年仕様スカイラインGT−Rを開幕戦から投入した。

98年仕様車は、ボディ形状の大幅変更、エンジン搭載位置の低重心化等の改良を図り、開幕戦前のテストでも車の素性の良さが期待される車になっており、チーム体制も鈴木亜久里、影山正彦組のZEXELスカイラインとエリック・コマス、影山正美組のペンズオイルニスモGT−Rに一新され、GT参戦チーム中最も注目度の高いチームとなった。

Result
順位 車番 ドライバー マシン タイム
1 23 E・コマス/影山 正美 スカイラインGT−R 1:49:45:966
2 64 山西 康司/T・コロネル NSX 1:49:50.912
3 39 土屋 圭市/谷川 達也 スープラ 1:50:26.309
4 5 M・グーセンス/桧井 保孝 スープラ 1:50:55.175
5 3 長谷見 昌弘/田中 哲也 スカイラインGT−R 1:51:08.203
6 36 関谷 正徳/N・フォンタナ スープラ 1:51:10.083

Race Report
【予選】

金曜日の練習走行で他車のアクシデントを避ける為コースアウトし、フロント、リアフェンダーに損傷を受けたZEXELスカイラインは、本来の走りが出来ず、総合第12位となった。

#23ペンズオイルニスモGT−Rをドライブするエリック・コマスは、練習走行からの好調を維持し、2’3”743をマーク、上位を占める4台のNSXに割って入り、総合第4位を獲得した。

【決勝】

温かい日差しの中、4万3千人の観客が鈴鹿に集まり51ラップに渡る激しい争いがローリングスタートにより開始された。 スタート直後から#100RAYBRIG NSXと#64Mobil 1 NSXの2台のNSXが先行し、好スタートで3番手に浮上した#23ペンズオイル・ニスモGT−Rの影山正美DRが後に続いた。

#2ZEXELスカイラインの鈴木亜久里DRも12番手から6番手までジャンプアップし、2台のニスモチームのスカイラインGT−Rと#38FK/マッシモセルモスープラ、#12カルソニックスカイラインの4台が第2グループを形成した。

11ラップ目、第2コーナーで#38が#12と接触しコースアウトした為、3台のスカイラインの3位争いとなった。

しかし17ラップ目、#23と争っていた#2は、残念ながらミッショントラブルでピットイン。

そのままリタイヤとなった。

レース中盤の23ラップ目、#23がピットイン。約40秒のピットワークでドライバーエリックコマスに交代しコースに復帰し一周遅れでピットインした#12をピット作業で逆転、#23は第3位に浮上し先行する2台のNSXを追撃した。

レースも終盤の45ラップ目、#64は黄旗無視により10秒間のピットストップペナルティーを受けたが、#23より前でコースに復帰。

しかし、第2コーナーでオイルにのりスピンし、その間に#23は第2位に浮上した。

更にレース終了5ラップ前の46ラップ目にトップを走行していた#100がストレートエンドでストップし、そのままリタイヤとなった為、#23がトップに躍り出た。

結局、#23は2位の#64に約5秒の差をつけ逃げ切り、98年仕様GT−Rと新スポンサーカラーとなった新チームでのデビューウィンを飾った。

前日の予選終了後のプレスカンファレンスでNSXドライバー達にコマスが語った「黄色いペンズオイル・ニスモGT−Rに気をつけろ!」という言葉が真実になったレースだった。