ST3チャンピオン「エクセディH.I.S.イングスZ」3位ゴールで全戦表彰台を獲得
ST1クラス「ENDLESS ADVAN Z」は3位表彰台

 S耐第7戦(最終戦)はツインリンクもてぎで500kmレースとして開催され、ST3クラスで#333「エクセディH.I.S.イングスZ」(前嶋秀司/佐々木雅弘)がミッションにトラブルを抱えながらも3位でゴール、全戦で表彰台を獲得した。またST1クラスでは#1「ENDLESS ADVAN Z」(藤井誠暢/荒聖治)が総合3位表彰台を獲得。#10「Cenote ADVAN Z」(田中哲也/星野一樹/岡本武之)は4位だった。

 今回は11月15日に予選/決勝がワンデイイベントとして行われ、16日はオーバルコースを使用した非選手権レースの「オーバルバトル」の開催となった。

 最終戦には39台が参加。ST1クラスには2台のZ(380RS-C)を含み6台、ST3クラスには5台のZを含む8台が参加した。15日は8時10分から予選が行われ、A、Bドライバーのタイム合算により、ST1クラスでは#1Zが3位、#10 Zが3位となった。ST3クラスでは#333 Zが3位、#113 Zが5位、#15 Zが6位、#777 Zが7位、#19 Zが8位となった。

 105周の決勝レースは、気温17℃と暖かいコンディションで11時58分にスタートが切られた。スタートドライバーは、ST1クラスの#1 Zは青木に代わって参加した荒、#10 Zが田中。ST3クラスの#333 Zが佐々木、#113 Zが堤明彦、#15 Zが小松一臣、#777 Zが吉田基良、#19 Zが輿水敏明に代わりエントリーの植田正幸。

 ST3クラスでスタートで順位を上げたのは#15 Zの小松。2周目に3位へ、さらに19周目の4コーナーで#333 Zをかわして2位へ浮上。さらに26周目のV字コーナーでトップの#39 NSXを捕らえてとうとうクラストップに躍り出た。 いっぽうクラス2位を走行していた#333 Zは#39 NSXを追いかけてチャンスをうかがっていたが、10周前後から「ミッションが渋くなって」(佐々木)ペースが2〜3秒ほど鈍り、32周目には4位へポジションを落とすことになった。

 32周目、トップの#15 Zは最終コーナーでコースアウトを喫し2位へ。そして38周でピットインしてイゴール・スシュコに交代した。#333 Zは40周目にピットインして給油のみでピットアウト。#113 Zは33周でピットインして伊橋勲に交代、しかし数周でパワステのオイルが抜け前回のような追い上げはならなかった。42周でST3クラスの1回目のピット作業が終了すると、#333 Zが2位、#15 Zが3位。58周目、#15 Zが#333 Zをかわして2位へ。

 2回目のピットインは、まずトップの#39 NSXが64周目にピットインしタイヤ無交換でピットアウト。そして65周目に#333 Zがピットインして前嶋秀司に交代した。#15 Zは給油をぎりぎりまで引っ張り、80周目に2位#39 NSXに約1分のリードを保って2回目のピットイン。タイヤ交換はせず給油のみでピットアウトし、2位との差約30秒で今季初優勝を目指して走行を続けていた。しかし86周目のV字コーナーで「前の周から症状がでていたけれど、ブレーキがなくなって」(スシュコ)痛恨のコースアウト。何とかコースに復帰してピットインした。左フロントのブレーキパッドを交換して再びコースに出たが、6位にポジションダウンすることとなった。これで2位に繰り上がっていた#27 M3がトップに。#333 Zは3位に浮上。このままのポジションでチェッカーとなった。#333 Zは今年の7戦のうち4勝を挙げ2位2回と3位1回と全戦で表彰台を獲得。チャンピオンにふさわしい内容の1年を締めくくった。

 なお#113 Zは4位、#15 Zは6位、吉田からDRAGON、福山英朗とつないだ#777 Zは7位、植田から高見沢、池上とつないだ#19 Zは8位だった。

 ST1クラスでは、序盤から隊列がばらけて、#1 Zは3位、#10 Zは4位を単独走行。レースの1/3を過ぎた37周目に2位の#50 BMW Z4が、39周目にトップの#28 BMW Z4がピットインして#1 Zは暫定トップに浮上した。#10 Zは40周目にピットインして星野に交代し4位でコースへ。#1 Zも42周目にピットインして藤井に交代し3位でコースへ復帰した。中盤、#10 ZはV字コーナーでST4クラスの車両と接触し相手をコースアウトさせてしまい、58周目にドライブスルーのペナルティを受けることになったが順位に変動はなし。

 82周目に#10 Zが2回目のピットインで岡本に交代し4位。84周目に#1 Zがピットインしドライバー交代は行わず3位のままでチェッカーを迎えた。#1 Zはトラブルに見舞われた第3戦富士以外の6戦で表彰台を獲得した。ディフェンディングチャンピオンらしいレースを1年間続けシリーズ3位となった。また全戦参戦とはならなかったが#10 Zはシリーズ5位を獲得した。



佐々木雅弘(#333「エクセディH.I.S.イングスZ」 ST3クラス3位)
「NSXを追いかけていた10周目あたりからミッションが全体に渋くなってしまい、そこからは大事に労わる走りに切り替えました。最初のピットではタイヤ交換もしなかったので、とにかく前嶋さんに渡すぞという気持ちで走りました。チャンピオンというのももちろんですが、全戦で表彰台というのはとてもうれしいです」

藤井誠暢(#1「ENDLESS ADVAN Z」 ST1クラス3位)
「荒さんと初めて組んだんですが、クルマの状態のフィードバックやセットアップの意見などはさすがGT500ドライバーだなと感心させられましたし、タイヤのおいしい使い方などの話など勉強になりました。しかし今日の予選(Aドライバー2位)は奇跡のようなタイム(1分57秒台)でした。1回ぐらいは優勝したかったですが、今年一番充実したレースになりました」


ST1クラス 出走6台
#1「ENDLESS ADVAN Z」藤井誠暢/荒聖治クラス3位/総合3位
#10「Cenote ADVAN Z」田中哲也/星野一樹/岡本武之クラス4位/総合4位
ST3クラス 出走8台
#333「エクセディH.I.S.イングスZ」前嶋秀司/佐々木雅弘クラス3位/総合13位
#113「UNT Racing ☆ ings Z」伊橋勲/堤明彦クラス4位/総合15位
#15「岡部自動車ディクセル Z」長島正明/イゴール・スシュコ/小松一臣クラス6位/総合18位
#777「屏風浦工業ニューテック-Z」福山英朗/DRAGON/吉田基良クラス7位/総合19位
#19「高見沢整骨院☆真東☆TC神戸Z33」高見沢一吉/池上慎二/輿水敏明クラス8位/総合20位

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