#1 「MOTUL AUTECH GT-R」、今季2度目のポールポジションを獲得
2015 SUPER GT第5戦・鈴鹿1,000qが開催され、#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が今季2度目のポールポジションを獲得した。

シリーズ最長の戦いとなる第5戦・鈴鹿1,000q。現在シリーズランキング2位の#1 GT-Rは68s分のウェイトハンディ(うち50s分は燃料リストリクター制限により代替)を背負って長く厳しい戦いに挑む。午前9時20分から始まった公式練習はウェット宣言のもとでスタートしたが、天候は曇り。路面もところどころ濡れている状態からだんだんと乾いていった。終盤には非公式ながらコースレコードを上回るタイムも記録され、#1GT-Rもレコードタイムとほぼ変わらない1分48秒659をマークし7番手につけていた。

午後2時50分に予選Q1がスタート。15分のセッションのうち、残り時間が5分を指すあたりで各車のアタックラップが始まった。#1 GT-Rも松田のドライブでタイムアタックを開始。セクター1、2と最速タイムを記録していったが、残り3分でコースアウトした車両が出たため、セッションは赤旗中断となった。残り時間が5分に延長されて、3時10分にセッション再開。各車が一斉にコースへと入っていく中、#1 GT-Rは前の車両との間隔をあけて、最後から2番目にアタックを開始した。集中力を高めて挑んだ1周で1分48秒394を記録し、コースレコードを更新。全車のアタックを終了して7番手につけ、Q2進出を果たした。

Q2を担当したクインタレッリも、松田の勢いを継いでスペシャルアタックを見せた。計測2周目で1分47秒630と、午前中の自己ベストを大きく塗り替えるとともにコースレコードを更新。クインタレッリの後にアタックしたマシンはこのタイムを塗り替えることができず、#1 GT-Rのポールポジションが決定した。


#1 GT-Rドライバー 松田次生
「午前の走行でどのタイヤを選ぶか悩みましたが、チームがベストな選択をしてくれたおかげだと思います。燃料リストリクターで加速が厳しい中、(途中赤旗中断があったため)残り5分でタイムが出せるのかドキドキしましたが、クリアラップが取れてQ1を突破できてホッとしました。ロニーにつなげれば、予選3位以内は確実だと思っていました。このあとチームでしっかりミーティングし、明日のレースに備えたいと思います」
#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「最近のQ1の緊張感はとてつもないですね。その中、次生が7位で通過してくれたことは、本当に嬉しかった。(僕が担当した)Q2では、2周目に賭けていました。2回コースアウトすれすれの箇所があり、ベストな周回ではなかったと思いますが、それでもポールポジションが獲れてよかったです。良いタイヤをチョイスできたので、レースは路面が低温でも高温でもうまく機能すると思います。雨ならPPスタートは有利なので、良い流れが作れるでしょう」
ニスモ 鈴木豊監督
「ポールポジションが獲れるかもしれないとは思っていたのですが、今朝の走行を見ると簡単なことではないとも感じていました。しかし、Q1で次生が7位に残ってくれて、Q2のロニーの素晴らしいアタックにつながったわけですから、この結果は大変嬉しいです。明日は天気がはっきりしませんが、それはどのチームにも同じことなので、PPスタートを活かして良いレースができると思います」
#3「B-MAX NDDP GT-R」、予選16位からの巻き返しを誓う
シリーズの折り返し地点を迎える鈴鹿1,000qの予選で、#3「B-MAX NDDP GT-R」(星野一樹/高星明誠/ウォルフガング・ライプ)は予選16位となった。

シリーズ戦の中で唯一ボーナスポイントが加算される鈴鹿1,000qは、タイトル獲得に向けた重要な一戦となる。NDDP RACINGは、レギュラードライバーの星野、高星に加え、昨年に続き、今年もGTアカデミー出身ドライバーのウォルフガング・ライプが第3ドライバーとして加入することとなった。午前中の公式練習では星野が2分0秒274というタイムをマークして6番手につけ、午後の予選に向けて手ごたえをつかんでいた。

午後2時30分から始まった公式予選のQ1は、星野が担当。Q2進出となる上位13台に入るべくタイムアタックに臨んだが、76sというウェイトハンディが大きく影響し、なかなかタイムが上がらない。周りの車両が公式練習よりもタイムを縮めていく中で、星野のベストタイムは2分0秒296にとどまり、Q2進出はならず、明日の決勝レースには16番グリッドから臨むこととなった。


#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「午前中の感触では、(Q1突破は)問題ないと思っていました。実際、予選の時もフィーリングは変わっていなかったし、タイヤのグリップもクルマのバランスも問題なかったし、ミスもありませんでした。朝と同じようなタイムは出せていたので、この順位は残念です。でも、決勝は長いですし、(今日と)同じ状況にはならないと思うので、前を目指して頑張ります」
#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「僕自身が走った感触でも、公式練習でのクルマの状態は良かったです。一樹さんの出したタイムでいい位置に入れたので、予選もいけるかなと思っていたのですが、僕たちのタイムがあまり変わらないなかで周りのタイムが上がって『なんでだろう?』という思いです。まだ分析できていない部分もあるので、明日までにそれを明確にします。決勝のペースはいいと思うので、追い上げていきたいです」
#3 GT-Rドライバー ウォルフガング・ライプ
「再びこの鈴鹿に来られて最高の気持ちですが、3号車はウェイトハンディがかなり厳しく、タイヤマネージメントもすごく大事になると感じました。期待していたよりも後ろのスターティングポジションにはなりましたが、我々にはまだチャンスもあると思います。明日は雨になりそうですから、何が起きるかわかりません。チームのレベルの高さにも自信がありますし、私自身もポジションアップできるよう頑張ります」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「ウェイトハンディもあり、厳しい予選になりました。周りがタイムを縮めてきたのは、作戦の違いなどで我々と違うタイヤだったのではないかと考えています。明日の決勝はいつもより長いので、粘り強くポジションアップを目指していきたいと思います」