#23 MOTUL AUTECH GT-Rは予選3位でグリッド2列目を確保

シリーズ終盤のSUPER GT第7戦は、タイ王国ブリラムのチャーン インターナショナル サーキットに舞台を移して公式スケジュールがスタートした。竣工したばかりのこのサーキットは、全長4.554kmのフラットコースで、ピットビルディングに設けられたグランドスタンドからほぼ全景が見渡せるようになっている。10月とは言え、当地の外気温は33度から35度。真夏の国内レースとほぼ同条件である。

第5戦富士と続く第6戦鈴鹿1000kmで連続して2位となり、一躍ランキングトップに立った#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、今回は規則に従って獲得ポイント数と同じ60kgのハンディウェイトを課せられており、50kg分の燃料リストリクターと10kgのウェイトを積んでいる。初開催地ということもあり、10月3日金曜日に設けられた2時間のフリープラクティスで各車は精力的に走り込みを行った。#23 GT-Rは、ここから早くも好調ぶりを発揮。#46 GT-R、#24 GT-Rに続く3番時計を記録した。また、土曜日午前中の公式練習では、クインタレッリが慣熟走行を行ったのち、松田次生がレースモードでのテスト走行を重ね、#23 GT-Rは6番手につけた。

午後に行われた公式予選Q1は松田が担当して、コースイン。ストレートの長いコースでは、燃料リストリクターの影響は大きいと言うが、それをはねのける気迫の走りで3番手タイムを記録し、Q2へ進出する。その松田の奮闘に刺激されたロニー・クインタレッリも、2位となった#24 D’station ADVAN GT-Rに0.235秒差の3位で予選を通過。NISMOは決勝レースでの好成績獲得に向けて、大きく一歩を踏み出した。


ニスモ 鈴木豊監督
「燃料リストリクターと10kgのウェイトというハンディをもっている#23 GT-Rは、本来なら中団くらいの位置でもおかしくない状況です。午前中のプラクティスでは、他のマシンも順当にタイムを延ばして来ていました。しかし、次生がQ1で力強い走りでタイムを出してくれたので、チームの雰囲気はガラリと変わりました。それにロニーも応えてくれて、予想以上の3位を獲ってくれました。明日は、最低でもチャンピオンシップ最大のライバルの前でフィニッシュし、できれば表彰台に上がれれば最高です」
#23 GT-Rドライバー 松田次生
「午前の練習走行ではロングランをやり、決勝での走りにもめどがついていました。なので、予選は可能な限り攻めてやろうと考えていました。正直、燃料リストリクターの影響が大きいセクター1では速いクルマから0.3から0.4秒遅れをとっているので、それ以降のセクターで必死に巻き返しを図りました。今日は僕自身上出来の結果だったと思います。しかし、明日は何が起きるか予想がつかないので、気を引き締めて頑張ります」
#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「朝のプラクティスでクルマのフィーリングは良かったのに、タイム的にはあまり伸びなかった。だから予選は簡単なことではないと思っていました。でも次生がすごいタイムを出してくれたので、僕も勇気が出ました。今では、クルマのフィーリングとパフォーマンスは完全に一致しています。チーム全員が最高の仕事をしてくれました。明日は大変なレースになると思いますが、全力を尽くします」


#3 B-MAX NDDP GT-Rも予選2位でフロントローを確保

チャーン インターナショナル サーキットは、誰にとっても初めてのコースである。富士や鈴鹿などはプレイステーションでシミュレーション練習ができるが、最新サーキットのデータは存在しない。そんな中、ニッサンGTアカデミー卒業生のルーカス・オルドネスが駆る#3 B-MAX NDDP GT-Rは、木曜日のプラクティス走行序盤から果敢に攻めの走りを見せ、常にラップモニターの上位につけた。交代した星野一樹もすぐにコースに慣れ、オルドネスのタイムを上回り、クラス3番手タイムを記録した。また、土曜日の公式練習でもふたりは1000分の3秒差で並び、3番手のポジションを確かなものにした。

午後に行われたQ1では、まず星野一樹がコースイン。短いアタック周回でトラフィックに行く手を阻まれながらも7番手タイムをマークし、Q2進出を果たした。Q2はルーカス・オルドネスが一発勝負でアタック。自己ベストを更新し、クラス3位で予選を終えた。その後、上位のマシンが車検後タイム抹消となり、決勝レースはフロントローからスタートすることとなった。


NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「今日はふたりのドライバーが頑張ってくれて、フロントローを獲ることができました。クルマの調子も良く、この予選結果を手に入れることができ、良かったと思っています。何とか最後まで走り切って、いい結果を残したいですね。このコースは新しいサーキットですが、とてもよくできていますね。この構造なら、観戦する観客の方々も楽しいと思います」
#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「ルーカスがQ2でいいタイムを出してきてくれで、決勝レースは予選2位からのスタートということになりました。Q1ではトラフィックなどもあり、1ラップしかアタックできず、少し悔しかったのですが、なんとかQ1を突破できたのは良かったと思っています。この新しいサーキットで、なんとかいい結果を残したいです」
#3 GT-Rドライバー ルーカス・オルドネス
「今日の予選結果には満足しています。現実的にはこの結果が私たちのベストなのだと思います。予選では最初のアタックラップでいいタイムを記録することができました。決勝レースは暑いコンディションの中でのレースになると思うので、タイヤの消耗に集中しなければならないと思います。マシン自体のスピードはあるので、決勝レース中のタイヤの状態を維持することが大事になってくると思います」