#23 MOTUL AUTECH GT-Rがフロントロー

台風11号の接近で不安定な天候となった8月9日の公式予選で、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、予選トップから0.3秒差の2番手につけ、フロントローから決勝レースをスタートすることとなった。

ハンディウェイト54kgの #23 GT-Rは50kg分を燃料リストリクターで制限されるため、GT-Rにとって富士スピードウェイは得意なコースとは言え、苦しい戦いが予想されていた。しかし、この日午前中に行われた練習走行では#23 GT-Rは安定したタイムで周回。序盤にクインタレッリが出したタイムによって、2時間のセッションの大部分で#23 GT-Rがタイミングボードの最上段に表示されていた。終盤にタイムアップするマシンが続出したが、終了間際に松田が3番手タイムを記録し、#23 GT-Rの速さが本物であることを証明した。

公式予選が行われた午後は、厚い雲がサーキット上空を覆い、高い湿度のため空気が重いと感じるようになった。Q1は松田がコースイン。その直後にピットインレーンでストップするマシンがあったため、赤旗中断となった。セッションが再開すると松田は早速アタックを開始し、4周目に1分30秒010のタイムで2番手となる。Q2の走行時間を迎えたとたんパラパラと雨が降り始め、スリックタイヤで1周したのち、インターミディエイトタイヤに交換するためピットインするチームが多かった。#23 GT-Rのクインタレッリはスリックで3ラップした後レインタイヤに交換。残り時間が刻々と減って行く中、計測1周目でトップタイムを記録した。#23 GT-Rがコントロールラインを通過した後、チェッカーフラッグが振られ、その後#17 NSX CONCEPT-GTがトップタイムを更新すると、クインタレッリは驚異的な区間タイムでそれに迫ったが、逆転はならず、予選2位が確定した。


ニスモ 鈴木豊監督
「0.3秒差でポールポジションを逃しましたが、タイミングが良くなかっただけで、クルマの仕上がりは順調です。あの時間は、特にセクター3で急速に路面が乾いていき、ロニーが通過した時には路面はほぼドライとなってしまいました。明日は、ドライでもウェットでも不安はありません。チームもモチベーションが非常に高く、明日の決勝は良い雰囲気で迎えられると思いますので、どうぞ応援よろしくお願いします」
#23 GT-Rドライバー 松田次生
「僕はQ1を担当しました。走り始めからクルマの調子はよかったのですが、やはり燃料リストリクター装着の影響が大きく、苦しい部分もあります。そんな中でダウンフォースを減らすなど、チームがいろいろと手を尽くしてくれて、ライバル勢よりも速くなった部分もあり、そういったことがこのタイムに繋がったのだと思います。今回も決勝で優勝するつもりでサーキットに来ていますし、得たチャンスをものにしたいと思います」
#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「朝の走行でもクルマの仕上がりが良く、ポールポジションが狙えると思っていました。Q1では次生の調子も良かったですし、Q2へ向けての準備は済んでいました。ただ、セッション開始直後に雨が降ってきてしまい、そのままコースに出ましたが、もう一度ピットに入ってウェットタイヤに交換してアタックを続けました。クルマの状況も良かったので、ポールが獲りたかったのですが、フロントローからスタートできるので、うれしいです」


#3 B-MAX NDDP GT-Rは、予選5番手。

ランキング6位の#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)は、48kgのウェイトハンディキャップを積んで、第5戦の予選に臨んだ。午前中の練習走行では重量感を感じさせない軽快なペースで精力的に走り込み、公式予選に向けたセッティングを進めた。

午後は怪しい天候だったものの、幸いにしてGT300の予選走行時間帯には大きく崩れることはなく、セッションはドライコンディションで行われた。Q1は星野が担当し、まずは3番手のタイムを記録。1周のクールダウンの後、再度アタックしてタイムアップを果たし、結果的には6位となってQ2進出を果たした。そして、Q2のタイムアタック合戦にはオルドネスが挑んだ。その結果、4台のJAF GT勢に続く、5番手が確定。3列目から決勝レースをスタートすることとなった。


NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「予選でもQ1を担当した星野が6番手、最終的にはQ2のルーカスが5位とまずまずの予選結果を残してくれました。FIA GT3勢の中でトップを獲れたのは良かったと思います。決勝レースではタイヤの様子を見ながら、ひとつでも上のポジションを目指して、レースを進めていきたいと思います」
#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「公式練習で走行を重ねていくうちにフィーリングが良くなっていきました。そういう状況の中での予選となりましたが、自分としては満足いく予選ができ、Q2へ進出することができたのは良かったと思います。JAF GT勢が速いので厳しい部分もありましたが、ルーカスがQ2で5番手を獲ってくれたので、決勝レースでなんとか逆転したいと思います」
#3 GT-Rドライバー ルーカス・オルドネス
「5位のポジションは悪くないと思います。まだクルマのバランス的には、もう少しリアのメカニカルグリップやブレーキなどを煮詰めて行く必要があると思います。Q2セッションで最も難しかったのは、雨が振り出した3周目でした。僕はプッシュし続けましたが、もう十分なグリップを得ることはできませんでした。JAF GT勢に続く5番手で、GT-R勢トップのポジションが得られて嬉しいです」