#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、最終戦を8位入賞で終える

通常のレースよりも50q短い、250qで争われた最終戦。#23「MOTUL AUTECH GT-R」(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)は、中盤にシリーズタイトル争いの相手でもある#18 HSV-010との激しいバトルを繰り広げ8位入賞を果たした。

クインタレッリがスタートドライバーを務めた#23 GT-Rは、スタートで1台の先行を許し前半は4位を走行。21周を終えるところでピットに向かい、給油とタイヤ交換、ドライバー交代を行った。クインタレッリからステアリングを渡された柳田は9番手でコースに復帰したが、直後に#18 HSV-010と接触。順位を落としてしまった。柳田は離されることなく食らいつき、23周目の90度コーナーで#18 HSV-010の隙をついて順位を奪回。レース終盤に向かうにつれて、タイヤの疲労やアクシデントなどで脱落するマシンのいる中で、最後まで安定したペースを保ち8位入賞でレースを終えた。シリーズランキングではこのレースで3ポイントを加え、合計50ポイントを獲得しシリーズ6位となった。



#23 GT-Rドライバー 柳田真孝
「序盤からなかなかペースを上げられず、後ろばかり気にしながら……というレースになりました。今年を象徴するようなレースで、不完全燃焼です。今年はファンの皆さんをがっかりさせるシーズンになってしまい、責任を感じています。来シーズンはクルマも新しくなり、いろんなことががらりと変わるだろうと思います。その中で、クルマもそうですがタイヤの開発もしていかなければいけません。来年はチャンピオンの座に戻れるようにしたいです。今日で今シーズンは終わりましたが、今日から来シーズンは始まっています。気を引き締めて頑張っていきたいと思います。最後まで応援、ありがとうございました」
#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「オープニングラップから頑張ってポジションアップするつもりでしたが、ペースがあまり良くなく、序盤から守りの展開のような走りになってしまいました。GT300クラスのトラフィックが出てきたときに、それを利用して前のクルマとのギャップを縮められたので、ピット作業で前に出られると思っていたのですが、なぜかポジションを落とすことになってしまいました。ペースがいまいち足りなかったことがつらく、残念ですが、これもレースだと感じています。もう来年のクルマの開発が始まっていますし、開幕戦までに強くて速いGT-Rを作り、最初から勝てるようにチームと頑張っていきたいと思います」
ニスモ鈴木豊監督
「午前中フリー走行の感触では、路面のあまり良くない中でのロングランの状態は悪くないと感じていました。レースになって、路面が出来上がってくればもう少しコンスタントに行けるかと思っていたのですが、クルマの速さ自体が少し不足していたこともあり、厳しいレースになってしまいました。結果がすべて。力不足です。今週から来年のマシンのテストもあるので、この悔しさを来年晴らすよう、今から出直しです。新しい規則で始まる記念すべき最初の年にチャンピオンを獲れるよう、いまから開発陣と一緒に頑張っていきたいと思います。今シーズンたくさんの応援、ありがとうございました」


#3「S Road NDDP GT-R」、最終戦は9位入賞

全車ノーウェイトハンディのなか争われた最終戦。#3「S Road NDDP GT-R」(星野一樹/佐々木大樹)は序盤からペースに苦しみじわじわと順位を落とすことになってしまったが、ドライバー2人は最後までマシンをいたわりながら走行を重ね、シングルフィニッシュでシーズンを締めくくった。


ハードブレーキングが要求されるツインリンクもてぎで、NDDP RACINGは燃費をセーブし、ピットでの給油時間を短縮。さらにタイヤ2本交換という作戦をとった。スタートドライバーの星野は燃費を抑えながら走行し、21周と比較的早めのピットイン。チームは素早いタイヤ交換で佐々木をコースに送り出し、前半スティントで前にいた#62 SLSの前に出ることに成功した。残り約30周というロングスティントを担当することになった佐々木は、タイヤと燃費のマネージメントの両方をしっかりと行い、9位でチェッカーを受けた。

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「いろんなことを守りながらのレースになってしまいました。今年は一言じゃ言い表せないぐらい、バッドラックやミス、トラブルなどいろんなことが起きたシーズンになりましたが、そんな中でも確実に得られるものがありました。自分もチームも成長できた1年です。この1年を、これからの自分のキャリアに活かせるようにしたいし、まだまだJAF GPも残っています。ここで大樹と2レースとも勝って、チームのみんなと喜びたいです」
#3 GT-Rドライバー 佐々木大樹
「僕のスティントは長くなったので、燃費をセーブすることも考えながらの走りになりました。攻めるに攻められない状況の中でも最善を尽くし、最終的にポイントも取れました。厳しいレースでしたが、タイヤを傷めることなくチェッカーまで持って行けたというのは、開幕戦に比べて成長できた点だと思います。今年は、SUPER GTというレースを勉強できた1年でした。最後にトップでチェッカーを受けるために、レースをトータルで考える、ということを学びました。まだ今年はJAF GPが残っていますが、富士は自分にとっても得意なコースだし、GT-Rで予選2位もとれたコースです。この1年で得たものをしっかりと活かして、結果に表せるよう頑張ります」
NDDP RACING長谷見昌弘監督
「ドライバー2人は一生懸命頑張ってくれましたが、クルマの方で厳しいレースになってしまいました。今後に向けて改善しないといけない部分もあるかもしれません。この1年、2人のドライバーはいい走りを見せてくれたと思います。星野は以前私のチームにいて、その後2年ほど他のチームで走っていましたが、GT-R GT3をどう走らせればいいかという部分でこれまで以上に良くなったと思います。佐々木は、SUPER GTというレースを1年かけてしっかりと理解しましたね。これまで走ってきたF3とはレースの考え方やクルマの走らせ方が全然違うのです。それを理解し、この最終戦では開幕戦とは違う姿を見せてくれました」
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