昨年2年連続チャンピオンを獲ったNISSAN GT-R勢も、シーズン序盤3戦は4チーム共にフラストレーションの溜まる結果だったので、今年はスタートダッシュを決めるべく勇んで岡山戦に臨んだ。
チャンピオンカー1号車のタイトル獲得に大きな貢献をしたミシュランタイヤ(MI)の唯一の弱点は、路面の低温度領域である。従って昨年より1週間遅いとはいえ、まだ寒さの残る岡山戦でのMIタイヤ装着の23号車と1号車には一抹の不安があったが、そういう時は4台で3ブランドのタイヤを履く強みを発揮してどこかが好成績を上げるだろうとも思っていた。
低気圧で荒れた予選はMIタイヤ及び横浜タイヤ(YH)がウエット性能の強みを発揮して、23号車が1位、24号車が3位を得た。1号車もトップタイムを出していたのでフロントローに並べた筈であるが、スピンを喫し規則によりタイム抹消となった。しかしGT-R勢としては決勝へ期待のかかる幸先良いスタートが切れた。
決勝はMIタイヤの発動する路面温度ぎりぎりで、スタートドライバーのロニー・クインタレリは何とかコントロールして、後続を5秒程度引き離して柳田真孝にバトンをタッチした。柳田も順調に周回を重ねたが、残り10ラップ頃から急激に路面温度が低下し、何とか粘っていた柳田も最後は力尽き3位となった。その他のGT-R(ポイント圏内)は、12号車6位、1号車10位であった。
優勝は叶わなかったが昨年が4位、8位、10位だったことを考えれば大きな前進である。

今回のレースでは事前テストでは見えなかった2013年仕様の各レースカーの実力が初めて見えてきた。優勝したHSVは小回り性能が良く岡山特有の速さと思われる。SC430はウエットの予選で有力車が下位に沈んだが、決勝ではストレートで強みを発揮し4位まで挽回してきたのでドライでは速そうである。これに全体のバランスのとれたGT-Rが加わり、各サーキット毎にそれぞれの持ち味を発揮した戦いが展開されそうである。従って1戦1戦ミスなくポイントを重ね、優勝のチャンスが来たら確実にものにすることがチャンピンへの道につながることになる。
そういう視点で見ると、難しい路面状況の中でコースオフするドライバーもいて、これは自らチャンピオンへの芽を摘む行為であるので今後注意していきたい。
またGT500ルーキーの関口雄飛は誰もが認める速さはあるのに、もう一面の雄飛らしさを発揮してスピンや接触事故で大きなチャンスを失った。
そこで今回は、雄飛らしさからの脱皮を期待して雄飛へ愛の鞭の×3つ。
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