#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、8位入賞でポイントを獲得

マレーシア・セパンインターナショナルサーキットで行われたSUPER GT第3戦。3番手からスタートした#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)はコースコンディションにマシンがマッチせず、苦しいレースを強いられることとなったが、粘り強い走りを見せてシリーズチャンピオンに向けて貴重なポイントを獲得した。

決勝日は、朝からマレーシアらしい強い日差しに包まれた。決勝レーススタート直前には気温33℃、路面温度も49℃まで上がり、予報通りの厳しい暑さとなった。

NISMOのスタートドライバーは本山。3番グリッドという好位置からのスタートに、序盤に勝負を仕掛ける作戦だった。しかし、練習走行の時から出ていたコースコンディションとのアンマッチングが決勝レースでも出てしまい、なかなかペースを上げることができない。チームは予定よりも早く、22周を終了したところでピットインの指示をだし、ドライバー交代を行った。

本山からバトンを受け取ったクルムは残り32周というロングスティントを担当することになったが、こちらもペースアップに苦戦。さらには終盤に他車に接触もされ、9位でチェッカーを受けた。しかしレース後に、接触してきたマシンにペナルティが課されたため、#23 GT-Rは8位にポジションアップ。シリーズポイントを3ポイント獲得した。



#23 GT-Rドライバー 本山哲
「トラブルなのか、セットアップなのか、タイヤのマッチングなのか原因はわからないのですが、早い段階からアンダーステアがきつかったです。タイムが上がらずタイヤ摩耗も進んできたので早めにクルムに交代しました。長いシーズンにはこういったレースも出てきてしまいますが、そんな中でも8位でポイントをとれたことが大事です。次に向けて色々と見直していきたいと思います」

#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルム
「本山のスティントで車のバランスが悪いという報告は聞いていて、大変なレースになるだろうとは感じていました。ライバルとはペースが違い、つらかったですね。内容にはがっかりしていますが、僕も本山も最後まであきらめずにレースをしました。すぐに開発して結果を出すのは難しいかもしれませんが、クルマをもっともっと速くしていかないといけないと感じました」

ニスモ鈴木豊監督
「十分なテストを行い臨んだセパンですが、練習走行からレースまで同じような状況になってしまいました。作戦としては序盤に本山でプッシュして上位を狙ったんですが、車のバランスが悪く逆にペースが上がらず、結果的にポジションを落としてしまいました。ドライバーたちは一生懸命頑張ってくれたんですが速さを見せられなかったのがとても残念です。この内容をしっかりと分析し、次戦では巻き返しを図りたいです。シーズン中盤・後半戦に向けて戦闘力を上げられるように頑張っていきたいと思います」



NDDP RACING、今季ベストリザルトの4位

今シーズンベストグリッドの6番手からレースをスタートした#3「S Road NDDP GT-R」(関口雄飛/千代勝正)。初のスタートドライバーを担当した千代が無理をしない堅実な走りを見せると、バトンを受け取った関口はセパンの暑さを吹き飛ばすほどの激しいバトルを見せ、今季ベストリザルトの4位を獲得した。

スタートドライバーを担当したのは千代。初のスタート手順に戸惑いを見せることもなくクリーンなスタートを切ると、まずは目の前の#52メルセデスSLSを抜こうとした。しかし、目の前で他のマシンがスピンしたため#52 SLSとの差が開いてしまい、今度は後方から別のマシンに追われることに。前日の予選Q1で使用したタイヤでスタートしたため、序盤からハイペースを保つことはできなかったが、中盤までミスをすることなく走り8番手で関口に交代した。

ピット作業で1台をかわし、さらにアウトラップを走る数台もパスして関口は4番手に浮上。#3 GT-Rと#0 BMW、#911 ポルシェ、#66 アストンマーチンという、FIA GT3勢4台による表彰台争いはレース終盤のハイライトとなった。ポルシェとGT-Rは得意・不得意なポイントが分かれるため、その差は開いたり縮まったりを繰り返していく。#3GT-Rは最終ラップで3位に浮上したが、その最終コーナーで#66 アストンマーチンにかわされ4位に後退してしまった。初表彰台は逃したが、チーム全員で今季ベストリザルトの4位を獲得した。



#3 GT-Rドライバー 関口雄飛
「ポルシェを追いかけるのにプッシュし続けて、タイヤの消耗が激しくなっていました。相手の不得意なポイントとGT-Rの得意なポイントとがかみ合わず、なかなか抜ききることができずにとても悔しいです。でも、ドライバーもエンジニアもメカニックも、自分たちのできる仕事を完璧にやって自己ベストの結果を出せたことはうれしいです」

#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「今回はセットアップもスーパーラップもスタートドライバーも担当し、プレッシャーのかかる週末でしたが、ベストを尽くせたと思います。レースでは、Q1で使用したタイヤでスタートしたので最初からタイヤは少し厳しい状況にありましたが、そんな中でもしっかりコントロールできたと思います。まだまだライバルたちに比べて足りない部分はあると感じたので、全体的にもっと良くしていきたいです」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「今日はスタートドライバーを千代に任せました。この週末は練習走行から千代を中心にレースウィークを進めてきましたが、いい仕事をしたと思います。関口も、これまではドライバーの仕事を超えてセッティングに関しても考えながら話を始める場面がよくあったのですが、ドライバーに必要なことは速く走ることとセッティング変更をしたときに出てくるフィーリングを正確に伝えることなんです。それ以外のことは話す必要がないと今回は言い聞かせてきましたが、彼にとってもそれはいい経験になったのではないでしょうか。今回は非常に暑いレースだったので、精神的に参ってしまわないように声をかけ続けました。結果的に入賞もでき、よいレースができたと思います」
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