厳しい冬の季節が終わりいよいよ初夏の到来かと思いきや、今度は雨をともなう天候不順である。屋外の競技は天候の影響を受けやすい。他の競技は雨の強さがどの程度かが影響するが、レースは雨の強さに合わせてピットインしてタイヤ交換する必要があるので、ある一定の強さが何分続くかという時間軸も影響してくる。いくら科学が進歩しても山麓にあるサーキットのピンポイントの天候を強さの軸と時間軸で予想するのは難しい。

昨シーズンの開幕戦富士や最終戦もてぎのように、レース中に天候がくるくる変化したり、フリー走行や予選の日が雨で決勝で初めてドライタイヤを履くようなケースでは、もともとGT-R陣営は強みを発揮してきた。だから今回は天気予報を見て、富士の大観衆の前であわよくば表彰台を独占出来るのではと勇んで乗り込んだ。ところが結果として、23号車はしぶとく3位に入ったが他3台は表彰台圏外で終わった。23号車は開幕戦岡山300kmレースでのクルム選手の反省を踏まえ、ウエット条件の富士に慣れさせるために予選日の公式練習のほとんどをクルムの練習に当てた。その効果でクルムは難しいセミウエットのQF1をトップタイムで通過した。スーパーラップに臨んだ本山選手は、クルムの好タイムのプレッシャーか公式練習で数ラップしかしていない影響か実力を発揮できず、4位であった。決勝は二人とも快走したが、タイヤ交換のピットインの微妙な狂いで表彰台3位が精一杯であった。しかしクルムが完全に復活したので次戦以降のベテランコンビの活躍を確信している。

1号車、12号車の走行中の速さは総合優勝した39号車を含めた全車の中で最も速かったが、ピットワークやピットインタイミングなどのミスが足を引っ張った。24号車も適切なタイヤ選択が出来なかった。GT-R各チーム共に慎重且つ大胆に考え、必死に戦っているにも関わらずやることなすことが裏目に出て、速いGT-Rであるのに開幕戦以来総合優勝できていない。これはGT-R勢4チームを取りまとめている総監督たる筆者のマネジメントに問題があるのであろう。従って今回は総監督に×3つ。
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