#23 「MOTUL AUTECH GT-R」が3位表彰台を獲得

SUPER GT第2戦富士スピードウェイで、#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)が3位を獲得。様々なドラマが起こった500kmレースで、2人のドライバーがGT-Rの安定した速さを引き出し、今季初表彰台を手に入れた。

予選日同様、雨が多くのチームを翻弄し、ドラマを生んだ500kmレース。NISMOはエース本山がスタートを担当した。グリッドウォーク中に雨が降り出し、レースはセーフティカースタートに。4番手スタートの本山はこの間にレインタイヤに交換、本格的にレースがスタートして序盤に1台をかわし3位に浮上した。

雨は降ったりやんだりで、多くのチームがタイヤ交換のためにピットインを繰り返したため、見た目の順位は目まぐるしく変わっていく。レースも中盤の頃にはほぼ全車がドライバー交代を行い、クルムに交代した#23 GT-Rは安定したタイムで4番手につけ、上位追い上げにかかっていた。しかし、60周目にGT300クラスの車両がクラッシュ。車両回収のためにセーフティカーが導入され、この間にピット作業に入った車両があり、トップと僅差の2位でレースが再開した。最後のピット作業は83周目。これで再び本山にバトンタッチし、4番手から再度の追い上げに入っていった。

しかし、残り20周を切ったところで雨が降り始める。雨脚は一気に強まり、たまらずレインタイヤに交換するマシンが出てくる中、本山は巧みなコントロールで周回を続けた。結果、3位にポジションを上げてチェッカーを受け、今季初表彰台を獲得した。


#23 GT-Rドライバー
本山哲

「レース序盤は雨が降ったことで、作戦の変更やタイヤチョイスなどいろんなことがありすぎてかなり混乱し、展開を覚えていないほどですが、集中して走りました。本当は勝ちたかったけれど、チャンピオンシップを考えると3位表彰台というのは悪くはない結果です。ただクルマのセットアップやパフォーマンスを考えるとまだ足りない部分があると思うので、そのあたりをしっかり反省して次のセパンに臨みたいと思います」
#23 GT-Rドライバー
ミハエル・クルム

「日本に帰ってきて初めての表彰台なのでうれしいです。やはりGTではしっかりポイントを取っていかないといけませんから。哲も混乱したレースでいい仕事をしてくれたと思います。僕は36号車との勝負でした。順位を守れたのは良かったですが、1位や2位との差は大きかったのできちんと分析しないといけませんね。セパンでは十分走りこんでいるしぜひ優勝したいと思っています」
ニスモ鈴木豊監督
「結果的に、戦略面でうまくいかなかった部分はありましたが、随所でGT-Rの速さを見せられたと思います。本山もマイケルもいい走りをしてくれて、苦しい時も粘り強く走って、トップ争いもできました。特にマイケルは久々に彼らしいバトルを見せてくれて、次につながるいいレースになったと思います。次のセパンはテストもしていますし、我々が得意としているコースです。ここで上位につけて、シーズンをリードする形に持っていきたいです」


トラブルに見舞われるも、難しい路面での速さを見せる

#3「S Road NDDP GT-R」(関口雄飛/千代勝正)は予選9番手スタートから素晴らしい追い上げを見せ、序盤に2位まで浮上。濡れた路面での速さを活かしトップを狙ったが、マシントラブルに見舞われポジションを下げることとなった。

スタートドライバーは関口が担当。セーフティカーランの間にレインタイヤに交換し、本格的なスタートを切った3周目の時点では16番手となっていたが、ここからGT-Rの安定性と関口のアグレッシブな走りがマッチし、11周目を終えた時点で3番手まで順位を上げていた。路面も乾き始め、#3 GT-Rはここでピットに戻りスリックタイヤに交換。7番手でコースに復帰すると、再び追い上げを開始。25周目には3位に順位を戻し、更に2番手に浮上した。しかし、ここでブレーキ系にトラブルが発生し、関口はたまらずコースオフ。マシンの状況確認と修復のためピットに戻ることとなった。修復を終えると、千代にドライバー交代しレースに復帰。ここからは大きなトラブルもなく、また千代もミスなく安定したタイムで周回を重ねた。終盤には再び関口に交代すると、18位でチェッカーを受けた。


#3 GT-Rドライバー
関口雄飛

「自分のスティントでは最高の走りができて満足しています。1スティント目も最後も、速いラップタイムで走れました。今回表彰台に上がったアストンや、中盤トップに立っていたポルシェとも充分戦えると感じましたし、もしずっと路面が濡れていたら優勝できたと思います。ドライでも表彰台に行ける手ごたえはありました。開幕から2戦、内容はいいのに結果が出ないレースが続いているので、絶対に次は結果を残したいです」
#3 GT-Rドライバー
千代勝正

「僕が乗った時点ではすでに優勝争いの勝負権はなくなってしまっていましたが、ちゃんとレースラップをきざめるように走りました。上位陣とそん色ないタイムで走れましたし、タイヤのマネージメントも考えながら最後まで大きくタイムを落とさずに走れたと思います。500の行かせ方なども、周回数を重ねたことでたくさん経験できましたし、今後に向けていろいろな収穫ができたレースになりました」
NDDP RACING長谷見昌弘監督
「結果としてマシントラブルが出てしまいましたが、2人ともいい走りをしていました。特に関口は終盤、濡れた路面でスリックタイヤという状況で、他より1〜2秒速いタイムを出していましたし、千代もトップグループに近いタイムで走っていましたから。残念な結果ですが、ドライバーの走りでもクルマのポテンシャルでも、今後に期待していただける速さを見せられたと思います。次戦は結果を残せるよう頑張ります」
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